コマミー

ヴァレリアン 千の惑星の救世主のコマミーのレビュー・感想・評価

3.8
【多様性の中に】

リュック・ベッソンの作品の中で、僕が一番好きな作品は実は、[フィフス・エレメント]だったりする。ブルース・ウィリスの短髪、そしてミラジョボの卓越した美しさ、そしてあの世界観…好きだった。その世界観をまた新しい形で、実現したのはこの作品。

[アーサーシリーズ]も手掛けていたリュック・ベッソンだが、[SF作品]はこの作品が久々に手掛ける作品だ。
まるで、[アバター]と[スターウォーズ]を掛け合わせたような世界観。
題名の[ヴァレリアン]は、主人公の名前で、彼と、パートナーの[ローレリーヌ]の物語である。アバターのように透き通った肌を持つ、[種族]との戦争を描いている。だが、そこには政府の[陰謀]が渦巻いており、なぜ[種族が故郷を追われたのか?]、政府の陰謀と関係があるのかを、二人は追うことになる。

この頃、監督作としては、あまり[良作に恵まれていない]ベッソンだが、自分はこの作品が良作であると言える。というのも、ベッソン監督は過去に[グラン・ブルー]という傑作を作っており、本作がその流れを汲んでるからだ。彼は、その直後から、映像の質に拘っている。[フィフス・エレメント]でも、未来都市の構成から何まで徹底していたし、[アーサーシリーズ]でも、ミニモイ達の住む世界のグラフィックが、群を抜いてた。

本作は、いわゆるベッソンの[原点]に少しだけ帰ってきたと言える作品だと思う。そこには、種族の多様性に対する、[人の認識]の仕方が込められており、メッセージ性もちゃんとある。
原作が、なかなかマニア性をくすぐられる内容であろう、この作品がおそらく、映画化には必要な内容であったに違いない…。

だから、観客も映像の[虜]になれるのだ…。

まさに、[劇薬]だった…。
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