バートン

猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)のバートンのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

生き様。人生ならぬ猿生。
凄まじく切ない、愛と憎しみの狭間に生きたシーザーの、心抉られる戦いの記録。


仲間たちの為10年以上戦い続けたシーザーの最後の聖戦を描く新「猿の惑星」三部作完結編。

「創世記/ジェネシス」でこの世に生を受け、人間に育てられたシーザー、
仲間たちと居場所を見つけ旅立ち、リーダーとして成長した「新世紀/ライジング」、
そして今作、人間VSエイプ、未来を賭けた最後の「聖戦記/グレートウォー」。
どれも忘れられぬ人間への「愛」と同時に増え続ける「憎しみ」の中、「共存」か「支配」かの板挟みに遭うシーザーが描かれていました。


まず未熟で世を知らぬ子供だったシーザーから英雄への旅路の10年にただただ感動。
彼の猿生に労いの言葉を投げかけたい。

聖戦が映し出すのは前作から描かれ、より今作で色濃くなった現実とのリンク、世界の真実。

復讐、偏見、過去の罪、目的、生存、闘争、

人間との争いの引き金となった今は亡きエイプ、コバを脳裏に、戦争の終わりを望むシーザー、
愛する家族や仲間を守る為、彼らは安寧の地を目指し大移動を始めます。


しかし悲劇に見舞われ、シーザーは遂に壊れ始める
復讐の旅に目的を変え進む中で新たな擬似家族を見つけ出す前半、収容され強制労働の目に遭う仲間を見つけ、役割と目的を思い出す後半。

人間とエイプの互いの思惑や想いがぶつかり合いながらも再び立ち上がるシーザーと迎えるラスト。



旧「猿の惑星」で支配者に抵抗したとしてエイプに崇められる神、それこそが新三部作のシーザーであり、10年間の彼の生き様は神話として歴史に刻まれているのでした。

切なくて寂しい。
でもありがとうと言いたい。
傑作。
バートン

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