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キル・ビル Vol.1のdendohのレビュー・感想・評価

キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)
3.6
初見。絶対つまらないと思ってたが、想像より楽しめた。

『オタク監督が過去作のオマージュをしつつ好き勝手作った』という点で、シン・仮面ライダーが実にキル・ビル的な映画だった事が良く分かった。しかしながらキル・ビルの方が圧倒的に出来が良いと思う。黄色い衣装は死亡遊戯のオマージュだが、現代ではキル・ビルの衣装としても共通イメージが出来上がっているし、Everything Everywhere All At Onceでも鉄球を振り回すゴーゴー夕張のパロディシーンがあった。キル・ビルはオタクのパロディ映画だが、自分の作品としてのイメージ確立に成功している。その点は単なるパロディ/オマージュに終わったシン仮面ライダーとの違いだと思う。

とはいえ、ビジュアル以外は中身のない映画なのは間違いない(笑) アニメパートも面白かったけど、あれやモノクロパート等の妙な演出があるせいで、全体的に纏まりが欠ける。

銃使えよとか、飛行機の中に刀持ち込むなよとか、ヤクザ弱すぎとか、そもそも復讐するのに正面から乗り込むなよとか、突っ込みだすときりが無い。様式美と言えばそれまでだが、積極的に人に勧める気にはなれないか。
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