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みちていくのmemoのレビュー・感想・評価

みちていく(2014年製作の映画)
4.0
彼氏につけてもらう身体中の丸いあざと、新田がつけてくれた丸いあざと、新田がみちるにぽとぽと零した言葉と、どれかは彼女を満たしてくれたのだろうか。きっともう、目に見える印にすがらなくても大丈夫だよね。

荒削りだけど、描きたいものとその描き方がとてもよかった。大きな満月のショットは唐突で若干浮いてるように思えたが、最後みちるの部屋にあるブラックベアのポスターにきちんと重なる演出で納得した。確かに、ディックブルーナの満月は映画の画面のなかでは異様な存在感がある。

そして女子高生の焦燥感って、この映画に出てくる満月のように、ブルーナの満月のように、宙ぶらりんのまま取り憑いて離れない、そういうものなのかもしれない。いつも異様なほど光を放ってこちらを見ている。だから無性に落ち着かなくてどうにかしようと必死にもがいているんだ。

(ニコちゃんマークのシールを貼って歩くふたりのエピソードもよかった)
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