ベティー

あの日のように抱きしめてのベティーのレビュー・感想・評価

あの日のように抱きしめて(2014年製作の映画)
4.0
第二次大戦後のドイツ、強制収容所で顔に大けがを負い、整形手術で見た目別人のようになっちゃった女性の話。
再会した夫は彼女のことを妻だと気付かずにある仕事を持ちかけるのだが..
序盤が、、めっちゃのんびりスロースタートで。これずっとこんなか?失敗したかな、、終わったらテッド2行こうかな、、とか思ってたのですが、いやいやなかなかすごかった。旦那と再会して話が進んでからは急激に面白くなった。
アウシュビッツって単語からもっと政治的か戦争的な映画を想像していたけど、ぜんぜんちがってて嬉しい誤算。背景としてはそうなんだけど、舞台設定として戦後とか強制収容所を借りただけな感じがした。この妻と夫2人のシチュエーションのために戦後にしたのかな?ドイツ人が観たらちがうのかもしれないけど。私的にシチュエーション恋愛サスペンスという新ジャンルの感じですごく楽しめた。
邦題は語感あんまり好きでないですが、なかなか的を得てる気もするなあ。これは恋愛要素高い。どん底につらい地獄系だけど。。

気になった点はやっぱりこの夫が、顔が変わった奥さんに気付かないっていう設定がちょっと無理あるんじゃない?ってとこですが。。さすがに声とかで気付かないかな。まあ欲にかられた人間っていうのは案外はたからみると気付くだろってことも目に入らないのかもしれないか?
それにしても、このシチュエーションは面白い。状況の持って行き方はなんか雑に感じたけど。。どう転ぶのかこのストーリーっていう予測しながら観るのがすごく楽しかったし。なので予告はみないほうがいいかも。
ちなみに、私は基本あらすじは読むが予告は見ない派ですね。予告でおもしろそうなシーンいっぱい貼付けられるとね、本編見てるときに、あ、ここ、なんか予告のイメージと全然違うとか、ああこういうシーンね、とかいろいろ邪念がわいてしまうんです。。映像的な刺激も事前に観ると薄れちゃうんじゃないかと思うんですよね。

しかし恋愛というのはむずかしい。まわりから見るとあきらかにすくいようのない、やめとけって状況でも本人にとってはそれが救い、それが幸せっていうのはあるし、それが見ていて悲痛でもあり、このあたりの心情が楽しめるか?感じるかがこの映画がおもしろいかどうかの分かれ目かな?どうでしょう。私は十分苦痛で楽しめたけど。痛気持ちいいというか。終わり方が最高ですね。序盤がめっちゃつまらなくって、どんどんおもしろくなっていき、エンドロールでは呆然となった。とはいえ、正直彼女の行動のポイントがよくわからなかったけど。。

この映画はジャズスタンダードで知られるスピーク・ロウという曲が全編とおして大胆に取り上げられており、ストーリーの軸になっててすごくきれいにまとまってた。ジャズのコンボ系では通常テンポ速めに演奏される曲だけど、これ原曲はバラードだったの?この映画でもスローな感じで、それが逆に新鮮だった。
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