くるみ

タルーラ 彼女たちの事情のくるみのレビュー・感想・評価

タルーラ 彼女たちの事情(2016年製作の映画)
3.9
ネグレクトの母親から衝動的に子どもを誘拐したホームレスの女の子のおはなし。

こういう母と子の様を描いた映画にはとんと弱くてこちらももれなく号泣した。。


1人の赤ちゃんが3人の女性たちを結びつける。
「万引き家族」的な犯罪×疑似家族映画かと思いきや、3人の女性それぞれが抱える葛藤や焦燥感、慢性的な寂しさや生きづらさを見事に描いた作品で、
彼らが出会ったことで生じる化学変化にハラハラしつつもあたたかな気持ちにさせてくれる。


生き様や考え方を「重力」で表現しているのが個性的で面白い。
ラストのマーゴのシーンもとても好き。
タルーラと出会い流される人生から自分の意思で進む人生へ変わっていくことができるのだろうか。
初めてタルーラと出会った時の冷たい目線がラストはまるで母親のような愛情深い眼差しに変化しており、この演技力は脱帽モノ。


ネグレクトの母親に関しては、心を入れ替えて子育てしてくれる未来を願うしかないのだと思う。個人的にはこういう悲劇のヒロインタイプの母親はほとぼりが冷めたらまた同じことを繰り返すんだろうなと思ってしまうけど、映画の世界くらいは信じたい。
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