いにょ

ディーパンの闘いのいにょのレビュー・感想・評価

ディーパンの闘い(2015年製作の映画)
3.7
やや質量の重い社会派映画。スリランカの反政府組織の兵士であった主人公ディーパンと、難民として祖国から逃げようとした女性2人が、家族を装って異国フランスで共同生活を送るのを静かなタッチで描く。しかし、ただ戦いから逃れて幸福に生きるだけのことが難しいという現実をじわじわと見せつけられる。断片的なカメラワークで静けささえ漂う淡々とした戦闘シーンは、彼らが身を置いて来た世界を容易に推し量れるほどに浮き立たせている。それだけに、理想をそのまま絵にしたようなラストシーンはそれまでの映像との真逆のコントラストで心が浄化されるような眩しさを感じる。ただあれは現実なのか、幻想なのか。
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