もみの木

ディーパンの闘いのもみの木のレビュー・感想・評価

ディーパンの闘い(2015年製作の映画)
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第68回カンヌ国際映画祭(2015)、パルムドール受賞作。内戦の続くスリランカからフランスにやってきた、家族を装った難民3人の話。厳しい境遇で、次はどんな不幸がやってくるのだろうとハラハラする展開。ただ、人間関係や利害が分からないところがあり、それが原因で後半の展開も分からないところがありました。

自身の都合によって家族だろ、家族じゃないだろ、を使い分ける主人公が身勝手でDV的で、そのために好きになれず、話も好きになれなかった感じはあります。家族の「つながり」がもっと緊密になっていく様を描ければ、家族とは何か?みたいなことを訴えかける映画にもなったかも。ヤリニ(妻役)の描き方が男にとって都合よく描かれている気もしました。ディーパンの存在がヤリニを脅かすので、ヤリニの方がより困難な境遇にいると感じました。ヤリニを主人公にすると良かったのでは?フランスで貧困を描いた作品では、パラサイトとアカデミー賞を競った「レミゼラブル」の方が好みです。
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