群像劇は散漫になりがちで中々物語に集中できないのであまり得意ではないのですが、この作品に関しては群像劇なのに集中して見られました。それだけでも高評価!!
神というテーマは扱うのが難しくて難解になりがちですが、堅苦しさが全くありません。
神の沈黙・神の不在を扱ったベルイマンや遠藤周作の作品の現代版といったところでしょうか。
愛する人を助けるために信仰を捨てるかどうか苦悩する女性、自分の娘を倖せにしたい一心で犯罪に手を染める父親、2人の男の間で揺れる老女・・・。
神はいるのか?これは罰か?
群像劇のお決まりのパターンとしてラストで一点に物語を収束させて終わらせる作品が多いのだが、それを意識し過ぎたために一般的にわざとらしさを感じる作品が多いことも事実である。しかし、この作品には強引さもわざとらしさもなかった。物足りなさを感じる方はいると思うが、僕には逆に新鮮だった。
甘めの評点だと思うが、群像劇で良い作品に出会えたことが嬉しかったのでこのスコア。
かなり前に観て、1000件目のレビューはこれにするぞっ!!と決めていました。