神のゆらぎの作品情報・感想・評価

「神のゆらぎ」に投稿された感想・評価

Yui

Yuiの感想・評価

3.9
「飛行機が落ちるのは、全能の神が存在しないからだ」


"神"はいるのか。
この世は理不尽な事に溢れ、どうしようもない事が多々あり、振り返った時、あの小さな1つが違っていたなら、右じゃなく左を選んでいたなら、そんな風に思う分かれ道は誰にでもあって。
人の生死に関わる事なら尚更で。

この作品は、数人の人生が袖が触れ合うような距離感で交差し、ゆっくりと穏やかに、でも確実に問いかけてくる。

生きるとは?死ぬとは?
信仰とは?罪とは?神とは?愛とは?

ドラン出演作品という事で観始めたけど、信仰のない私や多くの日本人にも分かりやすく面白かったし、観終わったら、邦題の秀逸さに久しぶりに胸がざわっとした。

ドラン演じる青年とそのフィアンセの看護師はエホバの証人で、キリスト教との大きな違いは"三位一体の否定" "血に触れる事への拒否" "復活という概念の違い"で、輸血が出来ないのが本作の大きなポイント。

考えれば考えるほど深い作品で、終わった後の余韻も深く長い。"無宗教"だって、信じる神を持たないという名の信仰かもしれない。

運命って、奇跡って、偶然ってなんだろう…。
俯瞰的にみたときに、「あの時こうなっていれば」で変わるのは自分のことだけじゃないんだよなあ。
あーまた苦手だと思いながら宗教のからむ話を、、(たまに好きなやつあるからチャレンジはしている)
rpmu90377

rpmu90377の感想・評価

3.7
看護師の女性とそのフィアンセの男性はともにエホバの証人の信者だ。男性は末期の白血病を患っていながらも宗教上の理由から輸血を受けることを拒み続け治療を受けようとしない。ある日、飛行機の墜落事故が発生し瀕死の患者が病院に運び込まれてくる。看護師はその血液型が患者のものと一致しているという理由で患者に輸血することを求められる。輸血すれば戒律を破ることになり、フィアンセからも見放されることになる。医療従事者としての任務を果たすのか、自らの信心を貫き通すのか、彼女は難しい選択を迫られることになる。

看護師のエピソードの他に複数のエピソードが描かれる。老境にありながら情熱的な不倫を続けるカジノのバーテンの男とクロークの女。互いへの失望を抱きながら共に暮らすアル中の妻とギャ ンブル狂の夫。そして取り返しのつかない過ちを償うためドラッグの運び屋となるひとりの男。異なるエピソードは最終的には飛行機の墜落事故で交錯することになるが、後半、これらのエピソードは同時進行しているものではないことに気づかされる。時間軸を利用した構成で観客をあっと言わせて物語を印象付ける手法は、クリストファー・ノーランの「TENET」に通じるものがある(あれほど難解ではないけれど)。

妻を寝取られた老人が言う「飛行機の墜落事故が起きるのは全能の神など存在しないから」というセリフがキーポイント。この世の中で起きることは神の意思によるものなのか、それとも単なる偶然なのか。いずれにしても、自分の行いが気付かないところで他人の運命に影響を与えているというメッセージが興味深い。「神のゆらぎ」という邦題、なかなか意味深長だ。
Kengo1in10

Kengo1in10の感想・評価

3.7
ただその終わりを待つか、奇跡が起こるのを待つか。

信仰により治療を拒む白血病患者、アルコール依存症、ドラックの運び屋など、人生堕ちていくのに身を任せているような人たち…
凄惨な事故や冷たい社会、こんな世界に神は存在するのか?

宗教や信仰への価値観を問われるような、とても考えさせられる作品。
kuro

kuroの感想・評価

3.6
神様はいるのか。
信仰によって治療を拒む婚約者と、神の存在に疑問を抱き始める彼女。
そこへ起きてしまった飛行機事故へと向かう人々の回想を交えた物語。

子どもの頃から当たり前のように信仰してたら、教えに背くのは簡単ではないことは想像できる。
でも私には理解が難しい。

災害や事故が起きたとき、助かる人とそうでない人に何の違いがあるのが。
突然大切な人を失った人は神を信じないだろうし、九死に一生をえた人には信じられる存在なのかも。
そもそも神様の概念て人間にしかないのかしらとか考え始めたら、もはや眠れなくなるほどの壮大なテーマ。

彼女は残酷な選択を迫られる。
家族と別れるか、仕事でずっと罪悪感に苦しむか。
どちらを選んでも何かを失うなんてあんまりだ。
ラストの眼差しに胸が締め付けられた。
eriiko

eriikoの感想・評価

3.3
ドラン目当てで鑑賞。本来人を救うはずの宗教のせいで輸血が出来ない。分からない世界だった。
信仰のための輸血の拒否、老人不倫、近親相姦ドラッグ売人男、アル中とギャンブル中毒夫婦、そんな面々の物語。

信仰のない自分には彼と彼女の気持ちは分かりようもありません。
神はサディストですね。
グザヴィエ・ドランが俳優として関わったと聞き惹かれた作品。ドランの作品でお馴染みのアンヌ・ドルヴァルも出てる

キューバに向かう飛行機の墜落事故
エホバの証人であり白血病である婚約相手

飛行機事故が起きた後の現在と
飛行機に乗る人々の過去を行き来しながら
最後にひとつになるストーリーが秀逸。

静かで重い空気感で進む物語だった
起きた事実には逆らえないし、人が決めた選択にも口出しすることなんてできない、という虚しさをひしひしと感じながら観た
不倫を止めるかどうかも、輸血をするかどうかも、飛行機に乗るかどうかも、治療を受けるかどうかも、それぞれ全て人が決める
ただ飛行機が落ちるかどうかは誰にも決められないというのが虚しかった...

「飛行機が落ちるのは
全能の神が存在しないからだ」

「何を信じるか」は人それぞれで、
選択によって起きた結末を誰かが自分の価値観で一辺倒に評価することはできない、と思った
原題と邦題の両方とも的を射ていて、どちらも好き
jr

jrの感想・評価

3.7
「マティアス&マキシム」観賞前にドラン作品予習


「人は死を経て地上の楽園に戻るんです」 

また出たよと
確かに抗えない死もあって
手を加えちゃいいけない事もあるけど…
助けれる人は助けようよー
信仰がないから簡単に言えてしまうのかもしれないけど

先日の「沈黙」とも重なる…
それはもう思想の違いだから仕方ないよねと
みんながそう思えれば宗教戦争も偏見も起こらないんだろうけど
祈るしかないのは本人も周りも辛いはず…

邦題タイトルが秀逸
原題は日本語で「奇跡」これより邦題の方がそのまま登場人物たちの揺らぎがよく表わされてる

ジャケットビジュアルも素晴らしい
赤い涙を流してるように見えるよねまるで血の涙
BLUE

BLUEの感想・評価

4.5
全能の神が存在しないからだ。
ずーっと、ずっと頭に残って離れない。
>|