Yoshiyuki

神のゆらぎのYoshiyukiのレビュー・感想・評価

神のゆらぎ(2014年製作の映画)
4.0
「選択には代償がつきものなのか」


エティエンヌ(グザヴィエ・ドラン)が主演ではなく、ジュリー(マリリン・キャストンゲ)が中心で描かれてました。

タイトルからして神の沈黙が描かれる作品かなと思ってました。
今までに観た「第七の封印」「沈黙」とは少し違うし、「やさしくキスをして」とも違う。
神ではなく、信仰心のゆらぎ。
「沈黙」などと違い、神に思いを語ったり、嘆くシーンがないから信仰心との葛藤を表情で読み取るしかない。
訪問先で言われた言葉を聞いて、片方だけ涙がこぼれたジュリーが印象的。
あの言葉が作品に重みを持たしてる。

婚約者エティエンヌは白血病に冒されているが、エホバの証人であるから輸血ができなくて奇跡を待っている。
ということはジュリー自身も輸血はできないということ。
飛行機事故でたったひとり生き残った人物。
犯罪、不倫、依存症の人のうち誰なのか。
それぞれの事故が起る前の行動を挟んで進んでいく。

信仰心がなくても、ジュリーの気持ちを理解できるだろう。
ターニングポイントとなる選択を迫られたことがある人なら。
信仰を貫いた者、自分のためじゃなく人のために信仰に背いた者。
どちらも選択をして決断したこと。
選択には結果が伴わないことはよくある。
でも、自身で決断したことに誰も否定や批判はできない。
Yoshiyuki

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