ばんてふ

グランドフィナーレのばんてふのネタバレレビュー・内容・結末

グランドフィナーレ(2015年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

・人生を振り返る映画。そのために20歳になったばかりの自分にはわからないシーンがいくつか見受けられた。でも、マイケルケインやハーヴェイカイテルなどの大御所の老人たちの言う一言一言が重みがあるのを感じた。老人たちは長く生きてるだけあって何かしら持っているんだと思う。それを次の代に伝えようと必死になるミック、反対に娘に何も残せなかったことに絶望するフレッドは後世に何も残そうとは考えない。2人は相反する考えを持っていたが、仲がよかった。
・2人は子供の時のこと・両親のことをほとんど覚えてないと語り合っていたが、ミックが唯一覚えていたことは、自転車に初めて乗れたこと、そしてその時にギルダと初めて手をつないだこと。昔の記憶は消えつつも、大切なこと・「感動」したことは老いてもなお覚えている。そう感じた。
思い出がどんどんなくなっていくことは非常に悲しいこと。だから覚えていたいことがたくさんある。
・ミックが平然と飛び降りて自殺し、それを声も出さずに見送るフレッド。とても怖かった。あまりの展開についていけなかった。そのあとにフレッドが過呼吸になり感情が表に出てきたのをみて、驚いてはいるのかとわかった。
・フレッドが着地に失敗するパラグライダーを見て、特に意味もなく笑うシーンがあったが、親友の死を経て、自分の気分とは真逆に間抜けすぎて笑ってしまったのだろうか
・ポールダノがカッコいい。何を考えているのかがあまり読み取れない感じ。あの老人たちも気を許しているふしがある。オールバックのときが一番かっこよかった。あんなにオールバックが似合う人はそういないと思う。
彼は自分が「ロボットの人」として思われていることをよく思っていなかったが、それを変えようにも、評価が変わるのを恐れていた。「恐怖」
それがある少女の一言で、他の作品を見ている人がいる。「誰もが同じよ、不安にならないで」言葉が彼を変えた。「欲望」に忠実になり髪を切り風貌を変えた。彼の人生哲学は「欲望」だった。
・綺麗な世界だった。時計のCMで使われそうな煌びやかな世界。登場人物以外のモブたちは、規則的に動いていてベルトコンベアを思い出させた。大衆ってことなのだろうか。
・水が張ったコロッセオのような世界をフレッドとミスが交差するシーンがある。運命とかそういう感じのイメージなのかと。
・音楽にしか興味がなさそうなフレッドが妻を死ぬほど愛していたことがわかって娘が泣くシーンはよかった
・彼が再び指揮をすることになったきっかけは、おそらくミックの死だろう。
指揮が終わったあとにミックの顔が一瞬出てきたのは彼に何かを伝えようとしたからだと思う。
結局フレッドは何かを次に伝えようとしたということだ
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