キヒチキ

サウルの息子のキヒチキのレビュー・感想・評価

サウルの息子(2015年製作の映画)
4.2
もはや死んでいるようなものだ

息子を埋葬するために、必死になってラビを探すサウル。
仲間に「死にたいのか」と言われたサウルが、答えたのがこの一言。
もう胸をえぐられました。
頭にこの言葉がこびりついて離れません。

全体的にぼかされていて、
サウルの目線で、話がすすんでいく。
あまりセリフもないが、
カポ長たちが「働け!働け!」という言葉がたくさん聞こえる。
ぼかされているからこそ、
何やろ?とか、この色は…?とか、
めっちゃ探して、考えてしまった。
ぼかされている方に、目が持っていかれたー。


収容所の中ではじまり、収容所の中でおわる映画。
もうわたしの稚拙な文章では表せれないほど、
たっくさん考えさせられました。
なんといえばいいのか、、、

でも、この映画を見るまで、
ゾンダーコマンドなるものが存在してたことも、知らなかった私。
無知は、ほんまに罪やなと思った。

何ができるわけでもないけれど、
彼らの存在が忘れ去られないために、
必死に生きようとしていた彼らのために、
「知ること」が大切なのだとおもう。

あのあとどうなったのか…?
サウルの息子とは…?
ラビは…?

終わり方が、後に残る。
終わってから考えさせられる。
決して、明るい作品ではないけれど、
見ることで、
多くの気付きや、歴史を教えてくれるそんな作品です。
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