サウルの息子の作品情報・感想・評価・動画配信

サウルの息子2015年製作の映画)

Saul fia/Son of Saul

上映日:2016年01月23日

製作国:

上映時間:107分

3.7

あらすじ

「サウルの息子」に投稿された感想・評価

tu

tuの感想・評価

3.8
生と死を越えた地獄の極限。

今にも踏み潰される絶望と無力。
受け入れたくない現実に微かな希望を託す人間の尊厳。
独特なカメラワークから伝わる張りつめた緊張感と観客に与える想像力、息詰まる閉鎖間と残酷さ…正気ではなく狂気であり史実であるということ。
r

rの感想・評価

3.7
サウルの幻想のような気もしてくる終焉だった
あんな状況で正気でいられる者などいない
どこか信じられないような歴史だったが
そう昔のことではないこれらの事実をこの映画で実感した
ホロコーストを描いた作品。

いろいろな賞を取っている作品のようだが,映像が残酷すぎる(現実はもっと凄惨だったので、人類は直視しないといけないのかもしれないが・・・)のと,ユダヤ人の宗教観が関係しているストーリーのため,よく話が飲み込めず,消化不良。
(2016年2月26日)

このレビューはネタバレを含みます

「ホロコーストの表象不可能性」という問題がある。究極的に凄惨な事態を小説・映画・舞台などのエンターテイメントに落とし込んで消費することが許されることなのか?”あれ”をフィクションとして語ることができるのか?という問題。表現に携わる者なら、この上なくセンシティブなこの題材にすごく気を使うし、頭を悩ませたこともあると思う。

本作は、ゾンダーコマンドが当時撮影したピンボケのアウシュビッツの写真のように、主人公サウルの周囲の風景をぼかして撮影することで、ホロコーストの表象不可能性に新しい表現方法を与えたと評判である(「シンドラーのリスト」を批判し、”あれ”をフィクションとして描くことなど到底できないと、ほぼ人の証言だけで構成された9時間のドキュメンタリー映画「ショア」を撮影したクロード・ランズマンも絶賛したらしい。相当の映画だ)。そしてこの周囲の風景を映さないというのは、極限の状態で目の前のことだけに集中するようになったサウル自身の体験の再現でもある、というのがこの映画に対する前知識。

そんな周囲の風景が見えない映画の中で頼りになるのが”音”だが、それも色々な言語が入り混じっていて、字幕がない部分は周囲の人々が何を言っているのか全くわからない場面もある。同胞とはいえ、様々な国の人がいた為になかなか連帯が出来なかったというゾンダーコマンドの史実を伝えようとする努力を感じる。作中で、なんとか外へ収容所の状況を伝えようとするゾンダーコマンドたちが描かれるが、史実だと大国の思惑の中で潰えたその努力を思うと胸が痛い。

終始画面いっぱいに映るのは、もはや死んでいるような顔色で淡々と作業をこなすサウルの姿。”虐殺”という究極の行為でも、ここまでシステマチックに構築されていると人は作業のようにこなせるのかもしれない。
ガス室で見つけた自分の息子を、正式な手順で埋葬してやりたいというささやかな願いは、もはや生より死にフォーカスした願いであって、サウルの生への諦めようが伝わってくる。その息子も、サウルが自分の息子だと思い込んでいるだけで、おそらく全くの別人。映画が始まった時点で、彼はすでに狂気のまどろみに足を踏み入れている。サウルは、生き延びることが第一義の収容所内で、危険を冒し、周囲の仲間に疎まれるほど「正式な埋葬」に執着していく。その徹底的な埋葬への執着は、自分の息子だけに向けたものというよりは、これまで自らの手で葬ってしまった同胞全てへの埋葬・罪滅ぼしのように見える。
感情が麻痺したかのように(いや、実際していたと思う)無表情のサウルは、最後、生きているポーランドの少年を見て、穏やかに微笑む。その表情の意図は計り知れない。希望なのか、絶望なのか、過去に向けたものなのか未来に向けたものなのか。いくら考えても、何度見ても正直わからない。彼の表情を解釈出来るだけの言葉も、知識も、経験も持ち合わせていないのだ。アウシュビッツから飛行機で20時間も離れ、そこから77年後の世界を生きている私には。
kyameru

kyameruの感想・評価

3.7

このレビューはネタバレを含みます

カメラフレームの枠が映画全体で終始あって、レンズを覗き込んだような視点で展開する。1917は、そういうコンセプトで撮りました、ということだけで擬似ワンカットの効果を感じなかったけど、こちらの映画ではもっと視点の誘導が主人公と物語の描かれ方と効果的にマッチしていて、頭いいなあってなった。

ただ僕の無学のせいだとは思うけど、恥ずかしくもなく言えば、主人公が何がしたいのか、正直わからなかった。でももし、この主人公が、もっとこのゾンダーコマンドの環境に直接的にあらがい何かを起こすような人が主人公だったなら、このふらつくような視点の意味はあまり無かったように思う。この主人公の混乱と説明できない人間の行動は、この主人公以外がぼやけてて、近づくとはっきりする、あっちに行こうとして連れられてこっちに行くような視点の不安定さによってこそ表現されえるのかもしれない、と思ったので、その表現の新しさに高評価にすることにした。
まうす

まうすの感想・評価

3.3

このレビューはネタバレを含みます

本当にラビなの…?本当に息子なの…?と思わないでもなくて、ちょっと雲がかったまま終わってしまった。
ユダヤ教は火葬すると死者が復活できないんだよね。
死者の復活という概念は分からないし、埋葬は遺された側の心の整理のための儀式だと思っているから共感はできない。

でも、こんな状況下で自分を失わずに埋葬するために奔走するとか逃げる計画を立てるとか、すごいなあと(小並感)
ホロコースト系の映画はどれもだけど、やること大胆だな、と思う。私なら怖くて従順になって抵抗もできずに殺されてるだろうし、この状況で生きたいとも多分思えない。
暗さとか汚さとか、積み上がった死体とか、混沌具合とか、色々想像してしまう。
Ryosuke

Ryosukeの感想・評価

4.2
背中の大きく赤いバッテンが指し示すのはガス室送りを束の間に間逃れているという印なんでしょうが、生も、人としても全てを否定された存在であることの証でもあるように思える。
さらには、三人称視点による、サウルの視界の範囲が共有されることで周囲全てを見ることは出来ずともはっきりと地獄のような絶望的状況はどこまでも開ける見込みは無いのだ。と冒頭から諦めに達する。
ゾンダーコマンド。全くもって濃霧に包まれている状況で、葬儀を正式に行う、という力強い生の執着心、全存在意義を消しにかかってくる巨大なシステムの中で自我を貫かんとする死への抵抗の力強さに胸打たれた。それはサウルだけでなくて。
匠吾

匠吾の感想・評価

3.0
アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所にて、同胞であるユダヤ人の死体処理に従事させられる特殊部隊(ゾンダーコマンド)として働くハンガリー系ユダヤ人の男を描く。画面酔いしそうになる…
sss

sssの感想・評価

-
ぼんやりと映る背景
カメラの外から聞こえる音

想像力を掻き立てられ戦慄する
同じユダヤ人の死体処理をしなければならないとは、なんて残酷な!強制収容所を取り上げた映画はたくさん見たけど、収容所に送られてしまったなら、すぐに殺された方がよっぽど幸せなんじゃないかと思ったのは初めて。
サウルの行動には共感できなかったし、本当に息子なのかな?と疑問が残った。ってか、あの環境だから正気でないのかな…

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