サウルの息子の作品情報・感想・評価

サウルの息子2015年製作の映画)

Saul fia/Son of Saul

上映日:2016年01月23日

製作国:

上映時間:107分

3.7

あらすじ

1944年10月、アウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所。サウルは、ハンガリー系のユダヤ人で、ゾンダーコマンドとして働いている。ゾンダーコマンドとは、ナチスが選抜した、同胞であるユダヤ人の屍体処理に従事する特殊部隊のことである。ある日、サウルは、ガス室で息子とおぼしき少年を発見する。少年はサウルの目の前ですぐさま殺されてしまうのだが、サウルはなんとかラビ(ユダヤ教の聖職者)を捜し出し、ユダヤ教の教義…

1944年10月、アウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所。サウルは、ハンガリー系のユダヤ人で、ゾンダーコマンドとして働いている。ゾンダーコマンドとは、ナチスが選抜した、同胞であるユダヤ人の屍体処理に従事する特殊部隊のことである。ある日、サウルは、ガス室で息子とおぼしき少年を発見する。少年はサウルの目の前ですぐさま殺されてしまうのだが、サウルはなんとかラビ(ユダヤ教の聖職者)を捜し出し、ユダヤ教の教義にのっとって手厚く埋葬してやろうと収容所内を奔走する・・・。

「サウルの息子」に投稿された感想・評価

karimaccho

karimacchoの感想・評価

3.4
まるで自分がそこにいるかのような映像でした。

いつ殺されてしまうかわからない状況の中、息子の埋葬だけはどうしてもやりたかった。
失っちゃ行けない人間らしさって確かにあるけど、なかなかあの状況じゃ出来ない。
サウルが最後息子と同じような年齢の子供に会った時に笑ったのは、心が満たされたからなのかな?
感動しました。
ずっとサウルをうつしてる
もう人権とか倫理とか関係ないそんな中で自分の息子と思われる子をどうしても埋葬してあげたいという愛情

映画館でみたかった
gnsp

gnspの感想・評価

4.5
ホロコーストものではある意味の別次元にして最も真っ向から向き合った作品。もうそこにいる感覚にならざるを得ない。重い。
とがり

とがりの感想・評価

4.0
【ゾンダーコマンド】:強制収容所での僅かな延命と引き換えに、死体処理等の任務につく囚人たちの部隊

死体の山から見つけた息子の遺体。
ゾンダーコマンドとして働くサウルは、息子の遺体をできる限り手厚く埋葬するため、収容所を奔走する。
愚直とも思えるサウルの必死さが、ほぼサウルしか映さない特徴的なカメラワークを通して痛いくらい伝わってくる。
それが地獄の底で余命を啜るサウルの、最後に残った人間性の欠片だとでもいうように。

パッケージの通り、観るのがつらくなる傑作。
sai

saiの感想・評価

3.8
薄暗い画面の中、死体の肌色だけがなまめかしく、鮮やかだった。
撮影技法に完敗。ゾンダーコマンドの体験ができると言うのは恐らく語弊があるが、俗的な表現をすればまるでサウルというキャラクターを自分が操作しているかのような、妙な感覚だった。あるいは自分が幽霊になり、サウルの動向を見ているかのような。ぼやけた画面の向こうで繰り返される屠殺と、悲鳴。何かとんでもないことが起こっているという感覚、けれど感傷に浸ることは許されていない。
ラストシーンは勿論のこと、布をめくって息子の死体をまじまじと眺めるシーンが印象的だった。殆ど無表情のサウルがほんの僅かな間、呼吸を乱す。殆ど死んでいるような人間が、生者に戻る瞬間を見せられたような気がして、苦しかった。
うふん

うふんの感想・評価

3.6

このレビューはネタバレを含みます

ずっしりと重い内容だった。
主人公であるサウルをまるでずっと間近で見つめていて、彼の見聞きするもの以外は聞き取れなかったり、ぼんやりしている。そのせいで自分がサウルになっているような、サウルを至近距離で観察しているような、妙な臨場感があって、目が離せなかった。
いつものようにガス室の清掃をしていると、ガス室で一人だけまだ息のある少年がいた。彼は間もなく息を引き取ってしまうが、サウルは彼を自分の息子だと言い、正式に埋葬しようとラビを探す…
色々な取引や機転を利かせながらラビを探すが、やっと見つけたラビが殺されてしまったり、生きようとして自分はラビだと嘘をつくもの、ラビだが、息子を埋葬する前に生きるためにと逃げ出してしまったり…極限の状況下での人間を描いている。サウルと仲の良いアブラハムにレジスタンスたちの仲間になりながら奔走するが、レジスタンスの闘おうと血気盛んな様子を少し離れて見ているような、サウルと鑑賞者である自分。きっとサウルには息子を埋葬しようとする意思しかないのだと思った。
そもそも、その少年がサウルの息子だったかどうかもあやしい。アブラハムはサウルに「お前に息子はいない」と言ったし、それに対するサウルの「妻との子じゃない、もっと前にできた子だ」という答えもなんだか怪しかった。サウルにとってその少年を埋葬するということは希望のない世界で生きるための唯一の希望だったのではないか。
最後は、川を泳いで逃げる際に少年の遺体はサウルから離れてどこかへ流れていってしまう。それを必死で追いかけようとするサウルを、レジスタンスの一人が川岸へと連れて行く。川から森へと逃げる間、サウルはまるで心ここにあらずといった感じである。5分だけ休憩しようと立ち寄った小屋でサウルはドイツ人?の少年を見た。少年も彼を見ていた。そこで今まで顔に感情がなかったサウルは初めて笑うのだ。彼がサウルにとって何かしらの希望になったのだろうか。少年は驚いて走って逃げるが、そこへドイツ兵がやってきて、少年が声を出さないように口を塞ぐ。しばらくして銃声が聞こえる。少年は離されて走って行き、森の中へ姿を消す。という最後だった。
誰の心の声も聞こえず、bgmも鳴らず、ただあったことだけを延々と見せられていく。見ている間、まるでサウルように感情がないみたいにこちらも感動もなく淡々と見てしまい、終わったあとで、心が重くなっていることに気がついた。そして見たあとで色々と考えてしまった。
とみー

とみーの感想・評価

2.9
(こんなあなたにオススメ)
・世界の歴史を知りたい方
・社会性にとんだ映画を観たい方
・人の恐さ 醜さを知りたい方
・100分台の映画を観たい→こういう題材にしては短めな気もする

(こんなあなたには向かないかも)
・すぐ眠たくなる人
・派手なアクション映画が好きな人
・こういった社会性の高い映画を観なれてない人
・喜怒哀楽を求める人
・朝一の映画 デートなどで観ようと考えてる人

[間違っても休日の朝一で観るもんじゃない社会派映画]

いやー 
『ゾンダーコマンド』初めて知りました!ほんとにあったんだから 人って恐い。ほんと。

正直 面白くなかったです 合いませんでした!終始暗くて重くて 何考えてんのか分からなくて。面白さを求めて観るやつではないですね 一種の勉強ですな
 世の中には 同じ人間でも差別やらなんやら沢山の不公平があるんだと 再認識しました。間違っても朝一観ちゃだめなやーつ 気絶しそうでした
スコアつけるのはとても難しい一本です

とりあえず ピラニア挟みます

独特のカメラワークとアスペクト比はとても良かった。

ゾンダーコマンド。
感情を捨てた主人公。
ホロコースト。

こんな時代があって、こんな人たちがいた事実を知る映画となった。
赤足

赤足の感想・評価

3.7
ひとりのユダヤ人の勇気と尊厳に関する二日間の記録とホロコースト(ナチス・ドイツの組織的大量虐殺)の実態を浮き彫りにした作品。

作品の内容自体重いはずなのだが、それを感じさせない淡々と進行するストーリーを恰も日常のように描いた世界観は非日常が日常であり、翌々考えると相当怖く感じ、そして脚本の上手さも功を奏してか、見終わった後にはジワジワと作品の余韻とそれに隠された意味合いと現実と過去の過ちを考えさせられる。非常に重いが、事実から目を背けずに向き合う大切さ、人間の尊厳、自由、自分たちが生きた存在と証明。を考えさせられた。

1つだけ気になったのが、監督の拘りだったのか?技法だったのか?カメラワークがいつも主人公の裏側やほぼアップを追っての視点で展開する進行ゆえかなり見難く、下手をしたら置いていかれそうになったのは唯一の気掛かりであった。
じょ

じょの感想・評価

4.7
ホロコーストの惨状を描いて泣かせに来る系の作品ではなかった。極限まで追い詰められた「人間」を描いている点で夜と霧みたいな感じ。画面の縦横比が不思議。常にサウルを至近距離で捉えたカメラワーク、これまで感じたことのない臨場感。

ガス室で処刑される人たちの死体処理をして(同胞)、番号で呼ばれ、人間として扱われていないゾンダーコマンド。リストは数を埋めればいいし、個人の内面なんて全くなきものとされている中で感情を捨てたっぽい(自己防衛のため?)サウルの表情がもう「死んでる人」ってくらいの「無」で、これを凄い感じる。そんな中で息子の死を(ほんとに息子?)見ても、正直とっても悲しんでいる様子には見えない。
でも、火葬ではなく埋葬にこだわり、命をかけてラビを探す。
→なんで死んでるのに、悲しんでるようには見えないのにこんなにこだわるの?→日々、燃やされ魂が救われない人たちを見ている&それに加担しているから、それじゃだめだと思ったの?
→自分たちの暮らしを文字で残したり、写真で残したりするのと同じで「人間としても扱われない、存在すらなかったことにされている自分たち」が生きた証を残すため?

全然想像できないけど、こんな壮絶な状況に居続けると「生死」とか超越して、「記憶」を残すってところに人間行きつくのかな。
最後、森の中で少年に見られた時に初めてサウルが笑った
→「自分たちのこと覚えててね」的な?

音も、映像も、不気味でリアルだった。「こういう人たちがいた、こういう時代のこういう場所があったんだよ」がずしんと来る映画
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