このレビューはネタバレを含みます
アウシュビッツを疑似体験できる強烈な映画
雑用で名前を呼ばれる度、
誰かが不用意にぶつかってくる度、
次の瞬間には殺されてしまうんじゃないかというあまりにも生々しい死の近さが体験できる。
主人公のアップメインで送られる演出は
1917にも似ているけれど、
明らかに違うのは彼もまた囚人であること
息子の埋葬のために翻弄する姿が続くけれど
待っていたのは「彼に息子はいない」という
悲しい真実だった。
ただ生きてるか死んでいるかも分からない今を見ていた故か、何かに縋りたかった彼の心のさまがひしひしと伝わってきて苦しい。
悲惨過ぎるラストの音と裕福そうな少年が駆けていく映像のギャップもえぐい。
映画館で見ていたらかなり堪えていただろうな