サワSWAA

ロブスターのサワSWAAのレビュー・感想・評価

ロブスター(2015年製作の映画)
4.5
キャスト全員に魅力を感じた。恋愛は全てを肯定して濁す。そんな曖昧なものへ線引きを行った世界線を目の当たりにする装置(映画の意も含む)に、凡人は芸術品を目の当たりにする美しさを感じた。同時に笑え同時に居心地が悪かった。そんな誰でもテンプレ出来そうな夏休み読書感想文こそ監督が欲しがる一つであろうしそんな観客の顔面を真っ向から殴ろうとしたピュアな暴力が映画にブリブリあったと願いたい。殴られて気持ちいい。それもまたおぼつかん動物の快楽であり、狭く嘆かわしく形がわるくソコから動けなくも、しかし声高に誇るべき場所なのだと人生舞台なのだと言えやと。私は病んでない。これはそんな逃げ口を掴ませないまでに追い込む。あえてとか逆にとか、裏の言葉を使わない真っ直ぐな皮肉の放銃映画体験。
説明の無い物語と設定が考えさせられたり戸惑ったりするし、難しいというか整合性が欲しいというか、まぁ実はそんなのどうでもいいんだが映画的な作風で言うところの脚本は上手じゃないかもと危惧する瞬間は何度もある、それこそこの映画の魅力だと思う。客)あれ?変なとこに変な動物がおる、おかしくない?監)はぁ、バカかお前あれでいいんだこの映画はこのままでいいんだ。とかね。観客が生きてる世界を超オーバーに表現したこの映画、最初に書いたキャスト全員の魅力は全ての人間のタイプを血液型占いみたくサンプリング分けした様にシンプルな構図であり、最後その全員が放りっぱなしで卒業していく。非がない。故に悲しい笑いが生まれそれも苦しい。超オーバーに表現してくれてるだけなのに。

エンディング後のSEがタイトルを掴み包んだ有難う御座います傑作でした
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