あずき最中

ロブスターのあずき最中のレビュー・感想・評価

ロブスター(2015年製作の映画)
3.5
期日までにカップルにならなければ、動物に変えられてしまうというホテルに隔離された主人公。気むずかしい女性を見事射止めては、(内心では再婚する気などさらさらないので)、女を裏切ったりする。一緒に連れてきた犬(実は自分の兄)が悲劇に見舞われるシーンは精神的に来るものがあった。中盤からの、森に潜む独身チームの逆襲は恐ろしくもあり、面白い。ただ、独身チームの中でも、恋愛感情がうまれてしまい、相手の女性はリーダーによって、かなり酷い仕打ちに合うことになる。
この映画を通じて印象的だったことは、「人間は共感から恋愛に落ちる(身体的特徴や趣味など、なんらかの共通点がなければ、親しくなれない)こと」、「人に好かれようとするあまり、自分を犠牲にする愚かさ」、「どのような場であろうとも、落ちようと思って落ちるような打算的な恋愛は長続きしないこと」だ。
恋愛をしなければならない/恋愛をしてはならない、というディストピアの中では、要請に応じず、自ら選びとる、自分の意志の強さが求められるのだろう。
あずき最中

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