えいこ

さらば冬のかもめのえいこのレビュー・感想・評価

さらば冬のかもめ(1973年製作の映画)
3.7
男3人で殺風景な冬の光景を行く
刑務所護送のロードムービー。

任務は任務として、うまいことハメを外しながら旅は進む。バダスキーのアニキっぽいアクセルとマルホールの真面目なブレーキのバランスよさ!

図体は大きいが要領悪くて気も弱いメドウズに2人が感情を寄せていく様子がさりげなくてよい。直接的な言葉でなく、表情や行動で語るのは演技力あってこそ。
故郷の学校や街を目にして屈託ない笑顔を見せるメドウズに対するバダスキーたちの表情、母親を訪ねて自宅を開けた時のなんとも言えない居心地悪さ、最後の報告シーンの2人のやりきれなさ。

終始漂う哀しさの中に、あらっぽい友情やほのかな優しさが感じられ、じんわりくる作品。南無妙法蓮華経には驚きと苦笑。
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