さらば冬のかもめの作品情報・感想・評価

「さらば冬のかもめ」に投稿された感想・評価

slow

slowの感想・評価

4.5
盗み癖がたたり罪人となった青年水兵メドウズ。彼を海軍刑務所に護送するよう任命された不真面目なベテラン海兵バダスキーと几帳面な海兵マルホールは、任務をさっさと済ませ、浮いた護送期間で羽を伸ばそうと企んでいた。しかし、あまりにも世間知らずなメドウズに肩入れをし、旅の進路は当初の予定から少しずつ外れて行く。

これこれ、こういうやつが好きなんだ。破天荒で犯罪行為もサラッとしちゃうとか、そういう他人に迷惑かけるロードムービーとは似て非なる男達の旅。気が強いわりに常識の範囲でしか羽目を外せない小物感(普通ってことなんだけど)とか、バタバタと逃げる間抜けな光景とか、ホテルのやりとりとベッドのクオリティとか、たまらなく好きだ。なんだこいつら最高だ。取っ組み合いの最中ずっとカラスが鳴いてるシーンは根負けして思わず吹き出してしまった。
とは言え、メドウズからしてみれば、バダスキーは荒くれ不良のイカした先輩。先輩直々の社会勉強は、青年の人生にどう影響を与えるのだろうか。本作は万人に受ける映画ではないのかもしれない。でも『リアリズムの宿』とか好きな人なら、きっとこの熱に共感してもらえるはず。
marbo917

marbo917の感想・評価

3.3

このレビューはネタバレを含みます

窃盗の罪で18歳の少年を刑務所に護送をすることになるロードムービー。

窃盗が未遂なのか、ひ弱な少年を思う親心が芽生えたのか、道中に酒を飲ませたり、母親に会わせようとしたり、筆下ろしまで経験をさせる。

この後刑務所が待ってるのかと思うと、逆に辛くなると思わなかったのかが謎のまま終わる。
のら

のらの感想・評価

3.7
窃盗を犯した若い水兵を護送することになった2人の水兵の奇妙な友情の話。

水兵と海兵隊の間で確執があるのとかが面白い
これ昔の映画の割にところどころ言葉遣いが荒いのがいい。ジャック・ニコルソンはこういう役ぴったりだな〜
ラストのちょっとさびしげで、でもその後に2人の間にわずかな友情を芽生えてるのがわかってホッとする。いいエンディング。
こんなロードムービー好きです♫
ある意味無茶苦茶なんだけど、若かりし頃のジャック・ニコルソンの存在感たるやいなや…さすがです!

海兵の若者がお金を盗んだ罪で、離れた刑務所まで同じ海兵のベテラン二人が連れていくって話。

でもね、、刑務所に連れていく緊張感はゼロ笑
ビールは飲むわ、風俗行くわ、アイススケートするわ…運ぶ気あるんかい!って思いますが、話が進むにつれて若者がいろんな意味で成長していくんですね。
3人の掛け合いがゆるくて最高です!
もうまるで友人感覚!
こんな雰囲気で旅したい…。
pochi

pochiの感想・評価

3.2
40ドル盗んだだけなのに8年間も服役しなきゃいけない18歳の男の子のためにおじさん2人が1週間を精一杯いい思い出にしようとするゆるさが良かった。
(今では絶対ありえない) 時々流れるアメリカンパトロールの選曲の良さ!この映画のゆるさとマッチしてる感じがしてよかった。

お酒を飲んだり売春宿に行ったり…ある程度のことは経験できたのはいいけど、これから8(6?)年間も自由がないのに色んな事を知ってしまうと逆に辛いんじゃないかなと思ってしまった。
最後あっけなく身を渡してしまって帰る感じ… 何かを期待していたからん?!となってしまった笑
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

4.0
【リンクレイター新作はコイツの続編だ!】
日本公開もするらしいリチャード・リンクレイターの新作『Last Flag Flying』がまさかのハル・アシュビーの『さらば冬のかもめ』続編と聞いて衝撃を受けた。ハル・アシュビーといえば不朽の名作『ハロルドとモード』や『チャンス』を作ったヒッピー監督。そして彼の『さらば冬のかもめ』はジャック・ニコルソンがカンヌ国際映画祭で男優賞を受賞した作品でもある。この続編では、オーティス・ヤングは既に鬼籍に入っているものの、現在も活躍しているジャック・ニコルソンとランディ・クエイドを主演に撮ることが企画されていた。しかし、実際には彼らは出演せず、スティーヴ・カレル、ブライアン・クランストン、そしてローレンス・フィッシュバーンを主演に制作された。その為、ラリー主演の物語になってはいるものの、非公式の続編となった。

さて、リチャード・リンクレイターの話はそれぐらいにして、先日NHKで丁度前作の『さらば冬のかもめ』が放送されていたので観た。これが成る程、リチャード・リンクレイターが続編作りたくなるのも納得の作品であった。

☆『さらば冬のかもめ』あらすじ
テキトーに海軍での仕事をこなす海軍下士官のバダスキーは真面目なマルホール海軍一等兵曹と一緒に、新兵ラリーの護送を任される。1週間の外出が叶ったバダスキーはとっとと仕事を済ませ、遊びまくろうと考えるが、新兵の境遇を聞くうちに彼のことが可哀想に思え、寄り道しまくることにする...

☆ヒッピー人情ドラマ
『ハロルドとモード』に次ぐゆるいのだか、心に温かい人情の炎を宿してくれる傑作であった。カンヌ国際映画祭男優賞を獲っただけに、ジャック・ニコルソンの涙が出るほどの厚い情に泣けてくる。これはまるで寅さんのようだ。フーテンで海軍のい仕事なんかテキトー。とにかく組織に留まるのが嫌な男バダスキー。彼が最初は、護送する新兵ラリーを煽りに煽りまくる失礼な行動をするのだが、新兵がたかだか40ドル盗んだだけでブタ箱行きになってしまった事実にいたたまれなくなっってくる。

そして、「ムショ入ったら自由がなくなるんだ今のうちに遊びまくろうぜ!」とぶらり途中下車の旅を始めるのだ。バダスキーは遊びに妥協をしない男。ラリーが「ムショに入る前に溶けたチーズの入ったハンバーガーを食いたい」という。飯屋にふらっと入り、ハンバーガーを頼む。チーズは溶けていない。するとバダスキーは、「おいそんなんでいいのか?」とラリーに尋ねる。そうするとラリーは「ハンバーガー食えるだけ嬉しいです」と遠慮するのだが、バダスキーは「ばかやろー、ちょっとバーガー貸せ」とハンバーガーをひったくり、店の人にチーズをやき直させるのだ。この一連の流れだけで涙が出てきた。

そう、この映画はリンクレイター映画好きにはたまらない作品だったのだ。ゆるーく物語は進むのだが、そこにはキラキラきらめく人情青春劇が繰り広げられている。人生にとってムショに入るという辛い局面なんだけれどもこんなにも美しい。だからこそ別れのシーンは本当に哀しい。まるで卒業式数日前のようなエモい気持ちになった作品であった。『Last Flag Flying』早く観たいなー
tjZero

tjZeroの感想・評価

3.7
アメリカ東部、ノーフォークの海軍。
バダスキー(ジャック・ニコルソン)とミュール(オーティス・ヤング)のふたりの水兵が、窃盗の罪で服役する新兵メドウズ(ランディ・クエイド)の護送を命じられる。

ワシントン→ニューヨーク→ボストン…と東岸を北上していく旅。

微罪で8年もの刑を食らった若者を気の毒に思い、上官ふたりは余裕のある旅程と手当を利用して、酒盛り、日蓮宗の集会への飛び入り、娼家での筆おろし、雪の舞う公園でのバーベキュー…といった思い出作りの寄り道をくり広げる。

”三人だけの修学旅行”みたいな無邪気な楽しさがあり、さりげない心の交流を通して、刑を控えた寂しさや理不尽な軍への怒りなどなど、いろんな感情のグラデーションが淡くスケッチされていく。

そんな淡彩を少々乱しているのが、主演のニコルソンのクドい演技。
図らずも↑のジャケット(ポスター)のひとりでのドヤ顔のごとく、存在感が強すぎて、濃すぎ。
一種のロードムービーなので、もっと風に吹かれるような、さらっとした演技の方がふさわしかったと思う。
主役三人のアンサンブルが正三角形ではなく、二等辺三角形になってしまっている。

好みの問題でもあるけれど、ニコルソンって個性が強烈だから、『イージー・ライダー』とか『ア・フュー・グッドメン』みたいな脇で光る役柄の方が、持ってる”毒”が中和されて作品のバランスが良くなると思う。
やすtea

やすteaの感想・評価

4.5
ジャック・ニコルソンが大好きです。
にもかかわらず、何故か観ていなかった佳作。

1970年代。
いわゆる、【アメリカン・ニューシネマ】と評される時代。
アメリカ映画史に於いて、最も革新的でエネルギッシュ、挑戦的な作品が多い。


70年代の幕開けとなる「イージー・ライダー」を皮切りに、「時計じかけのオレンジ」、「こわれゆく女」、「ダーティー・ハリー」、「ペーパー・ムーン」、「わらの犬」、映画界のドンである「ゴッド・ファーザー」や、画期的な「JAWS」だって、70年代だ。

「さらば冬のかもめ」は1973年の作品だ。

海兵隊2人が、募金箱から40$を盗もうとした水平を刑務所まで護送するという、風刺的なロードムービー。

護送される男は、純で、少しばかりオツムが弱い。
単なる任務を遂行する海兵隊2人だったが、真冬にセーラーの制服の違和感からなのか、この男への同情が湧き、友情が芽生え、親心のような気持ちになる。

務所生活を送る前に、人生の楽しさを体験させようと、ワルへの道を誘惑する(笑?)、ジャック・ニコルソンの表情たまらんね!

強面なのに愛嬌があって、自分達を取り巻く、現在への反発心からイライラする自分への苛立ちが、よく出てます。

南無阿弥陀を唱えるカルト集団的な場所を訪問し、そこから何度も発せられる、南無阿弥陀にが可笑しくて、可笑しくて。

ラストの「控え忘れてまっせ!」が、精一杯の抵抗であるが、痛快だ。

「さらば冬のかもめ」
真冬にかもめはそぐわない。
そして、かもめは1羽では見かけない。
とても粋な日本語タイトルだ。
知らぬが仏…
人生の先輩たちの親切心で、快楽や欲望を経験させてもらった薄幸な若者は、無垢なままで生きている今よりも、多くの煩悩を知ってしまった結果、もっと不幸な気持ちで今後の人生を送って行く運命になる。
物欲、性欲、飲酒、美食、宗教、博打、金銭欲、権力欲…たくさんある欲望や知識を知れば知るほど煩悩に振り回され欲望にさいなまれて不幸になり、物足りなさで心が乱れて平穏な人生が訪れなくなる。

知らぬが花…
無邪気に思えた男三人旅で多くの煩悩を知ってしまった純粋な青年は、最後には友情を裏切り逃走して、良き仲間だと思っていた男達と争い合って失意の中で納得しないまま社会に拘束されて自由を奪われてしまう。
pide

pideの感想・評価

4.0
ジャケットが良い。
なんか笑える。
上半身裸で葉巻?それに海軍の帽子。
絶対に笑いを狙ってるでしょ?みたいな。

ストーリーがめちゃおもろい。
まぁ、大人として1人の若者に人生の楽しさを教えてあげるのは大事だね。
若者も今後にそれを活かして人生を歩んでいく。
てわけにはいかない事情が。
40ドルの窃盗で刑務所に8年も?
なぜ?
この辺の経緯は観てのお楽しみという事で。

まぁ、刑務所までの道中、彼らは遊びを満喫する。
男3人が楽しむといえばやはり女絡みは外せません。
しかし彼、童貞だったか…。
そうか、覚えちゃったのか…。
そりゃ刑務所行きたくなくなるわな。逃げたくもなるでしょう。

この作品、ただの悪ふざけが過ぎた男どもの映画とはちょっと違う。
ラストが良かったね。
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