竜平

アクアマンの竜平のレビュー・感想・評価

アクアマン(2018年製作の映画)
4.4
「DC・エクステンデッド・ユニバース」第6弾。『ジャスティス・リーグ』にてその存在感を発揮したアクアマンこと「アーサー・カリー」の初単独作品。出生にまつわるエピソードや知られざる海底世界での活躍を描く。

DCEUとしての世界は共有してるものの、予備知識などなくてもこれ単体で十分楽しめる内容。アーサーを演じるジェイソン・モモア、今後どの作品で見かけてもアクアマンにしか見えないんじゃないかってな気がしてくる、そのくらいハマり役。ワイルド且つ愉快な性格のキャラを好演中の好演。今作でまず楽しいのが圧巻の映像体験。最大の見どころと言えるダイナミックなCGによる未知の海底世界の様子と、メリハリの効いたアクション。しかも舞台は海中だけかと思いきや、様々な場所・シチュエーションでのバトルを堪能できるという。『マン・オブ・スティール』『ワンダーウーマン』派生の、というかDCEU特有のハチャメチャ系が好きってな人にはもう大興奮の代物かと。全編に渡るジェームズ・ワン印と言えるテンポ感も素晴らしく、更にアクションシーンなんかは360度回転していく臨場感やあっちへこっちへ目まぐるしく移り変わるカメラワーク、その中でのスピーディーな立ち回りが本当にかっちょいい。海中だと髪が靡く感じとか何気に細かい。

ストーリーとしては『ジャスティス・リーグ』のその後、なもんでわりと世界中にアクアマンの名や存在が知れ渡ってたりしてて、そのちょっとした繋がりもシリーズとして楽しめるところ。そっちからアンバー・ハード扮する「メラ」が再登場する他、パトリック・ウィルソン、ウィレム・デフォー、そしてニコール・キッドマンと多彩で豪華な顔ぶれ。キッドマンは相変わらずお美しい、あとデフォーが悪人に見えて仕方ない、ってのは俺だけなのかな。そんなこんなで海底王国にて、巻き起こる問題としては海底版『ドラえもん のび太と雲の王国』または『ロード・オブ・ザ・リング』と言ったところ。海や自然を汚す地上人とその被害をじつは被ってるという海底人の隔たり、とか、海底の国々にある覇権争い、とか、いろいろ話題として出てくるわけだけどまぁとくに深く考えず頭の中を空っぽにして楽しむべきな気がする。もちろんいい意味でね。後半の言わば「海底大戦争」なんか完全に見もの、ハチャメチャに次ぐハチャメチャが気持ちいい。頭空っぽでと言いつつ、アーサーを軸とした親子のドラマがいいあんばいで入ってくるのも良き。アーサーとメラのとあるシーンは完全に2018年度ベスト・キスシーン・オブ・ザ・イヤー受賞候補。これは俺が勝手に考えた賞ねっと。

さて、こんだけいろいろやり切って、恐らく今後作られるであろう続編でコケないか、それだけちょい心配。何はともあれ、いいぞDCEUもっとやれ。次回作は異色のニューカマー『シャザム!』。
竜平

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