自転車に乗りながら、聡が掴んだ白い羽を手離すシーンは、2人が鳥になったように錯覚させるとても印象的なシーンだった。本当は鳥のように自由に羽ばたきたいのに、ただ生きていくしかない二人の日常が対称的に思い出され、胸が苦しくなるシーンでもあった。
あの逃げなかった鳥はあえて逃げない選択をしたように見えた。自由になったとて、外の世界で生きていける保証はない。聡はその姿を見て、自分のまま生きていくしかないんだということを悟ったのではないかと思う。
外さないままの指輪、泣き崩れた白岩の姿。最初は妻への未練かと思っていたけど、ああそうか普通の日常への未練、何もわかってない自分を認めることへのためらいだったのかと納得。
最後フェンスを越え、ボールが空を飛んだ時、二人に少し希望が見えたような気がして良かった。
ラスト、青いワンピース姿の聡に惚れたのは私だけじゃないはず。
