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この世界の片隅にのSTKNのネタバレレビュー・内容・結末

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

今年から市内の映画館でやっと上映が始まったので観に行ってきました。
平日昼間の12時の回にも関わらず場内は6〜7割の席が埋まっているという状況に高まる期待。観客の年齢層も高めで50代、60代の方はもちろん、場内の階段を上るのも大変そうなお婆さんも来られておりました。

”戦時中の映画”という漠然とした情報だけで他に予備知識をいれずに観にいったので重々しい作品かと構えていったんですが、拍子抜けしてしまう程ほのぼのした日常を描いていくので気楽に観ていいヤツかな?と思う反面、カウントダウンのように進んでいく日付や戦争中ということを思い出すシーンが映る事によって高まっていく緊張。歴史的な先の展開を知ってしまっているので、何気ない日常を積み重ねていくシーンでほっこりしている自分とその先の展開を想像して泣いている自分と複雑な心境で鑑賞。

こういった日本の戦中戦後を題材とした映画を観る度に、作中の時代から地続きで現在の日本に繋がっているということを実感し、その都度、戦時中の事や戦争の事など個人的にも知見を広げないといけないと常々思います。実際この作品観るまで呉市の被害なんて知らなかったし”広島舞台=原爆”くらいのもんでした。恥ずかしながら。。
展開が早い作品と言うかシーン毎の情報量が多くて頭フル回転で観ていたんですがそれでも?なシーン(終戦後、旗が遠くで上がってすず憤怒のシーンなど)があったのは俺の勉強不足認識不足。知っていればもっと楽しめたのに、と後悔です。

ありきたりの文ですが、改めて普段のなにげない毎日が愛おしくとても大事に思えるようになる作品でした。
戦争映画ではありますが陰鬱な雰囲気はあまりなく、観賞後”戦争よくない!”だけではなくなにか気持ちの良い前向きな感情が残りました。一度観ただけではこの作品の深いとこまではわからなかったので時間をかけてゆっくり何度も観ていきたい作品です。

この作品がクラウドファンディングで制作費を集めたことや上映館数がジワジワ増えていくことなど、他の映画作品とは違った動きをしているので、このまま海外でも上映されて高い評価を得てくれればいいなと、この映画そのものを応援したくなる気持ちも湧きました。
あと驚いたのは上映中観客の笑い声が多かった事。大勢をあれだけ笑わして泣かしてって、単純にそれだけでも凄い作品だなと。

この映画がもっとヒットしますように。
じゃあの。
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