広島に住んでいたから、色々と思うことが多く直視し難い作品だった。
戦争映画は英雄を立てるのが主流だが、そのような中で一般市民にスポットを当て感情移入しやすかった。女としての私の視点からすると、すずさんのような気質で生きていけたらと思うのだが、どうしてもケイコが現代女性である自分に近い気がして自分の未熟さを思い知る痛い面もあり。
厳しい世界で苦労があるのは明確なのにすずさんに嫉妬に近い感情を持った。
原爆ドーム、原爆資料館などに訪れたことがあれば、あの光った瞬間は胸に何かを刺されたような冷たく底なしの感覚に襲われたのではないだろうか。
私は声をあげて泣いてしまった。
幾人かの人生をそっと覗き見し、平和、人間の強さについて改めて考えることを与えてくれる映画だった。
