ジワジワと壊れていく当たり前の日常を、すずさん特有のほんわかした雰囲気の中で描いていくのが逆に恐ろしかったです。
みんなの中で『死』が当たり前になっていく中で、近所の方(?)の息子が無残な姿で死んでいたことにも気づかなかったというのも恐ろしい描写でした。
この映画は警報の発令時間、防空壕内での揺れや音、呉の景色、全てにリアルを追求したらしく、当時を知っている方々は辛い記憶が蘇ったかもしれません。だけど、この記憶は世に受け継いでいかなければいけないものなんだなと実感しました。
最後の女の子(ヨーコ)は終戦後の日本を象徴するような存在で、北條家にとっては小さな灯だったのかなと。
罪のない命がたくさん消え散ったあの時代にご冥福をお祈りします。