地上波放送で視聴。
公開当時見に行こうと思って気がついたら地上波放送。
今まで二の足を踏んでいたのは戦時中の話だということ。悲しくて辛いものをわざわざ見たくはない。戦艦がどんぱちやって男たちが命を懸けに行く話ではない。
その当時を生きた、普通のすずさんが中心となった普通の人の日常を描いている、やさしくて温かくて分かりやすい作品。
すずさんのふわふわとした笑顔がくすぐったいやわらかな声が、波立たない夜の海のように沈むのも激昂して喚き散らすのも失くしたものの大きさに泣くのも、この作品はたしかにこの時代に生きた人達の有り様でやさしいだけじゃないとわかってしまう。
丁寧に繊細にそれでいて色彩豊かにすずさんの心のまま描かれる光景はとても沁みた。
激しい描写はないけれど、空爆や原爆、焼け野原など今を生きる我々にも伝わっている惨禍は描かれているので、この時期の定番作品として放送するのもいいかもしれない。
良い作品でした。観ることが出来てよかった。
