もっちゃん

この世界の片隅にのもっちゃんのレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
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小学校の頃に歴史の授業で戦争のことを勉強したときのこと。
全くもって意味がわからない。
なんでそんな愚かなことをする必要があるのか。
なんとなく"時代が違う"というニュアンスで片付けていた。
今の時代は戦争なんてアホなことしないもんね。


小学校高学年だっただろうか、飛行機が突っ込んで大きなビルが崩壊していく様子がテレビ画面に映し出されていた。

まるで映画のような映像にリアリティはなく、まさしく対岸の火事であった。


そしてあれよあれよと、アメリカとイランだかイラクだか中東と言われる地域とで戦争が起こった。

え?また戦争やるの??
第二次世界大戦であれだけ傷ついたのに??と思った。
アメリカの国民はなんで声をあげないんだ。民主主義なら国民が声を大にして戦争を止めるべきではないのか。


第二次世界大戦を最後に人類は戦争とはお別れしたと思っていたけど違った。

近代史を小学校で勉強しないだけで、
自分が知らないだけで、
戦争は当たり前のように続いていた。

それを知ってすごく絶望した。
みんな戦争なんてしたくないはずなのに、なぜ戦争ってやつはなくならないのか。


北朝鮮の問題で緊張感がすごい高まった時期があった。
またいつ戦争が起こってもおかしくないように思う。


人間ってのは矛盾した生き物だ。
頭でわかってるのと、行動に移せるのとは違う。

ある世界の片隅では、
年端もいかぬ息子が徴兵されていた。

死にに行くようなものとわかっていても、
ご近所さん総出で「おめでとう」と出兵をお祝いしていた。

何もめでたくなんかない。
そんなこと誰もがわかっている。
それでも息子は戦争に行くし、
女はおめでとうと行って見送るしかない。


そしてぼくは。
そんな映画をベッドでゴロゴロのんきに観ているだけだった。

これが戦争がなくならない理由なんだろう。
だからと言って何をするわけでもないところも嫌気がさす。


エンタメとして割り切って観れる戦争映画はラクなんだけど、こういう毛色の映画は、自分の醜さを映画の中に観てしまうのですごい嫌だ。
もっちゃん

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