メグ

湯を沸かすほどの熱い愛のメグのレビュー・感想・評価

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
4.4
映画館で泣きに泣いて鼻水拭くティッシュ足りなくなるところでした。
夫は銭湯も放っぽり出して蒸発、娘は学校に行きたがらない、そんな状況で余命2ヶ月と宣告される主人公。と書くとひたすら暗くウェッティなお話をイメージしてしまいますが、余命宣告をされた宮沢りえ演じる双葉は着々と「死ぬ前にやるべきいくつかのこと」を進めるんです。だから、いっぱい泣いたけど、悲しくてというより、登場人物の愛の大きさや頑張りに泣いてました。

人には全員母と父がいる。
育ててくれた人がいる。

それはとてもシンプルな事実ということと、一方で、愛の形や事情は様々なのだということも同時に感じられるエモーショナルかつロジカルな脚本が秀逸。

会話の1つ1つは愛に溢れていて泣けるのに、さめざめ泣いてる間に伏線が明らかにされ「!!!」と驚かされるのだから堪りません。

大抵の監督はエモーショナルかロジカルか、どちらかに寄ってると思うので、両方ができるってかなり凄いことなのではないかと。

なお、宮沢りえやオダギリジョーがいいのはもちろん、ここはやはり杉咲花ちゃんの頑張りに拍手したいです。難しいシーンがいっぱいあったと思いますが、もう後半は彼女が泣きそうになると、自動的に自分も泣いてしまうくらい感情移入しやすい演技をしてくれたました。宮沢りえも最後の方は鬼気迫るものがありましたね。演者さんも文句なし!
間違いなく今年上位に入る素晴らしい映画でした。

敢えて1つ気になったこととしては、学校でのいじめ対処法でしょうか。無理矢理行かせるのは追い詰めてしまう場合もありますし、最後の行動も多分あれを本当にやったら、かえって好奇の目で見られ、ますます孤立してしまうと思います。

でもとにかくラストへ向かっての流れが素晴らしくて、今年のタイトルバック賞はコレに決まりです!
メグ

メグ