銭湯経営の夫が出ていき一年、娘と二人暮らしの妻に、余命2ヶ月が宣告される。後わずかな人生のなかで、やらなきゃいけないことを一つずつ、自分のために、家族のために、実行していく物語。
ずるい。泣いちゃう。いやもう泣いてる。という場面が10回ぐらいでてくる。いや15回かもしれない。ほんとうにずるい映画←褒めてる。
どの登場人物も家庭や自分になにかしら問題を抱えていて、心に開いた穴をそれぞれが埋めるように、精一杯の愛をお互いに分け与えていた。その人なりの精一杯で。
不謹慎かもしれないが、余命を与えられるというのは羨ましい。後悔やどこかに落としてきた愛情や衝動、ずっと言えなかった事だって今までのもの全部を拾い集めて、タイムリミットのせいにできるのだから。
自分ならどうするだろうと、主人公が病気を告知された瞬間に、観た人全員が考えはじめる。そこからもまだ映画の時間はたっぷりあり、いつもの日常のように見えて、いつもとは違う時間が映像のなかで繰り返されている。
生死の間に愛をどれだけ与えられるだろう。
そのシンプルな自分への問いだけが残ったので、ずるいけど、良い映画です。