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湯を沸かすほどの熱い愛のonotoramanのレビュー・感想・評価

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
4.0
すごい泣いた。始まりから、中盤も、そして最後も。なんでこんなに涙が出てくるのか。一緒に見ていた人がいたのでちょっと恥ずかしかったくらいだ。なんでこんな泣けるのか。

(10分後)…しばらく考えてみたがわからない。なので、レビューを書きながら考察していこうと思う。
とりあえず、3月のライオンと一緒で身近にある(あった)問題だからっていうのはわかる。マーベル映画とか絶対泣けないもん。あと、人物を「環境」とか「状況」っていうもので描こうとしてるのだと思う。学校でいじめられている「環境」。その娘を残して二ヶ月の命っていう「状況」。幼くして母に捨てられたっていう「状況」。ああ、そういえばこういう環境とか状況を伝えるニュースって赤の他人なのに顔写真と一緒に流れるだけで涙が出てくるよな。
あと、身近な問題って言ったけど、赤の他人に対して大半の日本人が心を動かされる最小公倍数的な問題を扱ってるって意味では、逆に身近とは程遠いのかも。

問題って言葉がよく出てくる。きっとこれがキーワードだ。

物語の存在理由の一つ、空想や願望の実現。これはその真逆、現実の問題によりリアリティを与えるという物語作品だろう。ニュースでは決して見られない生の人間性とか、ドキュメンタリーでは捉えられない決定的な瞬間とか、それを描ける物語としての機能、そこに特化させている作品。

うん、だから泣ける。
以上、考察終わり。

それと、いい作品ではあったが描写に薄っぺらさも感じた。画も弱いし、セリフにもリアリティがなかった。万人受けするだろうが、フェチ、作家性はない作品であった。そこは残念。
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