序盤からジーンと来るシーンばかり。双葉がそれぞれの登場人物にぶつける真っ直ぐすぎる愛情が現れるシーンはどれも素晴らしいし、君枝との再開、人間ピラミッドのシーンなんかこれでもかと感情を揺さぶられて、このままラスト次第では今まで見た邦画トップ級かなぁなんて思っていた。
もう、そんなアツアツ熱湯風呂で火照っていた状態に、まさかラストの葬式のくだりでいきなり冷や水をぶっかけられるとは思わなかった。えええ…法律ガン無視、犯罪、犯罪で、礼服で缶コーヒー飲んでドヤ顔って、ルパンやオーシャンズじゃねえんだぞ…というレベル。発想自体は面白いけど、散々世の中の訳ありを、登場人物ほぼ全員でやり過ぎなほど見せつけておいて、あのラストは違う気がする。それこそティムバートンの『ビッグフィッシュ』みたいに全編ファンタジーテイストなら全然良いけど。
純粋にオーソドックスなヒューマンドラマらしいラストでも見てみたかったなぁ。
