アウシュビッツ裁判について描かれています。
負の遺産として世界遺産にも登録されているアウシュビッツ収容所。そこでの日常は想像を絶するものでした。ほかにもアウシュビッツを扱った作品はいくつか観てきたけど、その当時の恐ろしさを一番感じた作品でした。
舞台は収容所が解放された20年後のドイツ。まず驚いたのが、この当時の若者がアウシュビッツについて全くの無知であること。
自分の国もそう遠くない近い歴史なのにアウシュビッツ?は?なにそれ?みたいな反応。ここで政府がこの負の歴史を揉み消したかったんやろうということが分かる。
『収容されていた被害者たちの証言』という形で、いかに残虐な日常が送られていたのか知らされる。なんで人間が人間にそんな事できるん?なんの権利があって傷めつけて命を奪えるん?
もし自分がこの時代に生まれて収容される運命やったら、、そう考えると恐ろしくてたまりません。 恐ろしいなんて言葉じゃ表現しきれやん。
もう強制的に解決されて蓋をされた母国の恥を蒸し返して罪人を裁きましょうってことがいかに大変だったことか。捜査を進めるたびに見たくない悲惨な事実にぶち当たって、それでも最後までやりきった関係者の信念には頭が上がりません。
起訴された被疑者たちの中に法廷で自責の念を表す者はいなかったらしい。環境によるものなんでしょうね、同じくドイツ映画のエスを思い出した。
恥ずかしながら知識が浅いので、ナチ党民の多さにも驚きました。生きるためにはそうしるしかなかったんやろうね。ヒトラーの異常なまでのリーダーシップとカリスマ性、ほかに使うところはなかったんでしょうか…
考えるべきことがありすぎて消化不良を起こしてます。