顔のないヒトラーたち(2014年製作の映画)

Im Labyrinth des Schweigens/Labyrinth of Lies

上映日:2015年10月03日

製作国:
  • ドイツ
  • / 上映時間:123分
    監督
    ジュリオ・リッチャレッリ
    キャスト
    アレクサンダー・フェーリング
    フリーデリーケ・ベヒト
    アンドレ・シマンスキ
    あらすじ
    1958年、フランクフルト。戦後十数年が経ち、ドイツは経済復興の波にのり、人々は戦争の記憶を忘れつつあった―。大きな野心を持つ若き検事ヨハン・ラドマン(アレクサンダー・フェーリング)だが、担当する裁判は交通違反ばかり。ある日の裁判で、交通違反で出廷した女性・マレーネ・ウォンドラック(フリーデリーケ・ベヒト)に魅かれ、彼女の罰金額の一部を立て替える。 検察庁のロビーに現れたジャーナリストのトーマス・グニルカ(アンドレ•シマンスキ)は、友人である元アウシュヴィッツ収容者のシモン(ヨハネス・キルシュ)から、元親衛隊(SS)のアロイス•シュルツが違法に教師をしていることを聞き、その苦情を申し立てる。しかし、検察官の中で、彼の話に耳を傾ける者はいなかったが、ただ1人興味を示したヨハンは、調査を始める。

    「顔のないヒトラーたち」に投稿された感想・評価

    nutaki
    4.5
    ドイツ映画。作品の素晴らしさ質の高さに感動した。主演のアレクサンダーがハリウッドスターにも負けないイケメン。正義感が強い、悩みもがく検事を好演している。記者や検事仲間など脇も地味ながら個性が良く出ていた。20年の月日の中で胸に秘めたそれぞれの想いを感じ、消せない記憶に心が痛くなる。2人でアウシュヴィッツに向かうシーンで堪らなく、泣けた。淡々として盛り上りも少ないのに、飽きずに先が観たくてたまらなかった。ジャケット、邦題(原題は何?)副題、全てが上手。
    Natsuki
    3.9

    このレビューはネタバレを含みます

    ヒトラーだけが悪いんじゃなくて、ナチに進んで加担したのはドイツ国民だった、ってことを忘れようとする風潮の中の60年代の西ドイツが舞台。
    ドイツ人が第二次世界大戦でナチスドイツ兵士がポーランドで起こした事を裁く、誰も得しない裁判に関わる若手検事の話。
    無駄に主人公の検事がイケメン。
    『忘れてはならぬ。』

    アウシュビッツ。

    酷い。

    こんなことを書いてよいのかわからないが、
    下手に教科書に記載されている文書よりも強烈にインパクト。
    ということでこの作品は素晴らしい。
    自分の無知を痛感した。
    しかし、それでよい。
    その痛感を忘れなければ。

    1人の男の信念。
    あまり笑顔がないが、どこまでも正義を貫こうとする信念に感服する。

    酷いことをするのも、正義を貫こうとするのも同じ人間。

    もしかしたらそのどちらも私自身に潜んでいるのかと思うとゾッとする。



    アイヒマンのことも少しでてくる。


    すると『アイヒマンを追え!』を鑑賞したのを思い出した。

    信念。

    私にも揺るぎない信念はあるか。

    もう少し考えたい。
    ガーコ
    4.5
    スタンフォードの監獄実験や、ミルグラム実験のように、全良な一般市民でもその場の状況や環境によって、人は命令に従い悪魔のようになれる恐ろしさを感じました。

    アウシュビッツの看守達も、戦争が終わればパン屋だったり教師だったり普通の生活を送っています。

    数十年前は何十人、何百人もの命を殺めたはずなのが信じられません…。

    裁判によってその真実が明かされますが、反省の色を一切見せない彼らは一体どんな心境なのでしょうか…。

    裁判で少しでも、加害者達の心の内が見えてくることを願います。

    第二次世界大戦は、誰もが被害者であり加害者でもあったのだと、改めて感じました。
    Reyrey
    3.7
    0.8/0.8/0.7/0.7/0.7
    Generalstaatsanwalt Fritz Bauer: If you think this is all about who's guilty, partly guilty or innocent, then you've learned nothing, nothing at all.
    フランクフルト・アウシュヴィッツ裁判の映画。ドイツがドイツとして初めてナチスを裁いた重要な裁判に至るまでが描かれている。恋模様が入ってくることで裁判への使命みたいな強さが薄まった感じがしないでもないが、なかなか描かれない事柄ではあるため、いつものナチやホロコーストものより新鮮味は感じた。
    地味ながら力のある作品。
    第二次大戦後のドイツ国内で、情報統制によってアウシュビッツの存在が隠されていたことを、この映画をみるまで知らなかった。戦後10年が経過してから、この人類最大の過ちと向き合おうとするのは、相当の覚悟が必要だっただろうと思う。深く心に残る作品です。
    Michael
    3.8
    「誰もがナチスの党員だった」

    このセリフがとても重く、それが現在のドイツでの歴史認識にも影響を与えたいるのではないだろうか。

    戦後から約20年が過ぎ、西ドイツ国内では復興の兆しがみえつつあった。
    そしていつしか人類史上最悪の行為さえ忘れさられつつあった。
    「アウシュビッツ?知らないね」

    これってとても他人事として処理することはできないよね?

    特に私たち日本人は水に流す文化があり、過去は忘れがちだけどそれって本当に良いんだろうか?

    この映画で起きていることは戦後20年後のはなしであり、それでさえタブー視され、ヒトラーにだけ全責任がなすりつけられていたけど、それを支持した国民だって責任があるし、実際に虐殺を実際に行ったのは一般市民なんだもん。

    だからこそ主人公はその事実を、人を非道に殺した事実を、その被害者を守るために戦うんだよね。


    それは戦後70年が過ぎ、大戦は過去のものと化し、昔の人がやったことと私たちの頭の中で処理されてしまっている現代の日本人ももう一度歴史に想いを馳せてもよいのではないだろうか。
    アウシュビッツ裁判など歴史も学べ、感情移入もでき、少し感動があり良かった。
    Linla
    3.8
    権力に従う者は、いつしか
    自らも権力を得たと
    思ってしまうものなのか、、、

    同じ時に生きて
    迫害する側、される側。

    発端は、一匹の小さなアリ。
    それを見逃さす巨大な蟻塚を
    掘り起こしていく。
    一度手を付けたら次から次へと
    蠢くアリ達にもうお手上げ。

    たった一人の検事の正義が
    押し潰されそうになりながら
    途方もない事を諦めない。

    正義を貫く事が
    こんなに過酷で残酷だとは。
    しかしその残酷さは
    人間そのものであるとは。

    事実を知るのは疲れる。
    この主人公ヨハンの疲労が
    モロに感じる作品だった。

    ドイツ映画とあって?なのか
    独特なムードがあった。

    ヨハン役の人、男前過ぎ。

    品行方正さ溢れる顔立ちで
    検事にはピッタリだっただけに
    余計な色恋の濃厚シーンは
    要らなかったな~と。

    どの世代も知るべき事が
    描かれていると思う。
    しんどいけどオススメします。
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