自己中なビリーよりも、ヴィランのドクター・シヴァナの方が純粋な心を持っているのでは？
と思ってしまうような内容だった。
宣伝にあるような、笑いどころも私にはなかった。予告編を初めて観た時はクスッときたのに。
大罪モンスターももっと掘り下げて欲しかった。
何の自己犠牲もなく簡単にスーパーパワーを手に入れてしまうヒーロー、ここらへんがアクアマンと同じでカタルシスを得られない。
そして、ビリーは、そのパワーをおふざけに使う。(それがこの作品の面白さなのかもしれないが)
自己中になるビリーの背景を察する事は出来る。
転々としてきた里親から(恐らく)虐待を受け、自分の身は自分でしか守れない、助けてくれるものなどいない、という考えに至ったのだろう。
だが、作中では、余りにもフレディが可哀相に思えるし、ビリーが自分勝手な奴にしか見えない。
そんなビリーにスーパーパワーを与えられる資格があるだろうか。本当に心が純粋だろうか。
一度はフレディを無視したのに？
ずっと諦めることのなかった、ドクター・シヴァナの方が相応しいではないか。
ヴィランは生まれついての「悪」ではない。
どこかで必ず、悲劇がある。
その悲劇が原因で、「悪」と化してしまっただけなのだ。立場が違えば、彼も「シャザム！」だったかもしれない。
DCやmarvelのヴィランに救いの手が差し伸べられないところが私は好きではない。
仮にディズニーなら、ヴィランにも救いの手が差し伸べられ、全てにハッピーな結末が用意されている。
本作、ラストシーンだけは良かった。
