ジャッキーケン

シャザム!のジャッキーケンのレビュー・感想・評価

シャザム!(2019年製作の映画)
4.5
おかえり!80sアメコミ!
帰ってきて!ヘンリーカヴィル!

リアルでダークでMCUとは180度違う路線を歩んでいたDCEUは「ワンダーウーマン」を皮切りに徐々にコメディ色を帯びついに本作では完全にDCEU=ダークというイメージを払拭することに成功
「アクアマン」もコメディ色強めなのは分かっているけど「シャザム!」はそれを超える。

孤児のビリーが養子として迎えられるが馴染めず問題児の限りを尽くす、信頼できるヒーローオタク、フレディをいじめっ子から助けることでシャザムの力を得ることになるが、ここからがみなさんお待ちかねのコメディパートでちゃんと面白い!
Don’t stop me now に乗せてヒーロー人体実験をしていくシーンが最高に楽しい!やってることがオタクがゆえに物騒すぎる、だからこそホラー出身のデヴィッドFサンドバーグの味もありでホラーとコメディは紙一重だということを実感させる。
実際シヴァナが7体の化身で会社の重役を殺すシーンは普通にホラー

フレディとシャザムの掛け合いは問答無用、100点満点。14歳のどこにでもいるヒーローオタクだから切り込んでいくところが一々通を唸らせる、バットラングやスーパーマンが受けた弾丸、フレディが着ているTシャツ等々、DCネタはもちろんネタで溢れかえってる。特にビビったのは冒頭の質屋、アナベルがいたよな?幻覚じゃないよね。めっちゃビビりました

養子として迎え入れる家族も温かみがある
何より父親役のクーパーアンドリュースは「ウォーキングデッド」史上最高にいい奴なので本作の父親役は見事にハマっていた

同じ屋根の下に暮らす兄妹達はメキシコ系、アジア系、黒人とさまざまな人種でいじめっ子からは偽家族と言われるがこの家族としての絆を深めていく、ビリーと実の母親のある事実が発覚してからはより一層家族との絆、血の繋がりだけで家族と判断するのは馬鹿げていると思わされ、孤児のビリーが家族の一員となっていく最近のアメコミ映画からしたらあまりに普遍的なテーマではあるが「シャザム!」というヒーロー、ビリーというキャラクター性を最高にうまく活用するなら家族以外に何も浮かばない。

スーパーマンに限りなく近い能力を持ったシャザムvsシヴァナの闘いは14歳という年齢だからこそファーストファイトで逃げ出したくなる怖さ、ヒーローという重圧を実感していく描写は見事だった。
ビリーが能力を得てから学校をサボるために使ったり、ビールを買うために変身したり、電撃ビームでATMで金を下ろしたりやることがしょうもないのが超高感度持てる!俺も人助けよりそっちやる!
だがその能力を最後まで軽んじず危機に陥る家族達の前で本当のパワーの意味を理解し家族という誰にもねじ伏せることができないパワーを発揮するクライマックスは余りの楽しさで涙が溢れてくる!
「兄弟姉妹の玉座」の意味合いがすげえ!

遠すぎてシヴァナの声が聞こえないくだり
信じることでパワーを発揮するくだり
14歳の少年たちらしい「引っかかった!」って馬鹿にするくだり
溢れる中学生イズムは愛さずにはいられない!
誰がこんなDCEU映画を予想した!?
クリストファーリーヴ版スーパーマンを彷彿とさせる。グーニーズっぽさもある
今年ベスト級に好きです!