何もかもが究極的

シャザム!の何もかもが究極的のレビュー・感想・評価

シャザム!(2019年製作の映画)
2.5
スーパーヒーローの能力を手に入れた後の滑り出しは良い。ビールを買ったり、ストリップに行ったりと能力に見合わない子供らしい素朴な冒険はどこか自分の幼い頃と重なる。大人になって普通になった物事は、制限付きの自由しかない子供には、歴とした冒険でスタンドバイミーの如く、一生の思い出になる。その描写はとても自然で居心地が良い。
またその人間味故の冒険がエスカレートして、ウォッチメンのようにヒーロー故の汚職に発展するかもしれないという怖さも面白い。
だがこの映画を見ていて腑に落ちない部分が1つある。主人公とそれを取り巻く子供達が馬鹿過ぎるのだ。
ヒーローとランチを食べる所をみんなに自慢できないから怒る、ヒーローパワーで何でも出来る事に気がついたのに大道芸で小遣い稼ぎ、わざわざ招待を明かすような凡ミス、ヴィランから逃げる為に群衆に紛れ大パニックを起こすなど、自分たちの未熟さに自覚がないまま、最後までヒーローとしての責任や他人を守る意味、自分の可能性には気付かない。
最終的に主人公が得たのは、家族が大事というありきたりな答えだけ。それに気付く事は序盤で予想できるし、観客を2時間付き合わせつるならもう少しマシな成長を遂げてもらいたい。