Cerro

Stoked & BrokeのCerroのレビュー・感想・評価

Stoked & Broke(2011年製作の映画)
5.0
無一文でカリフォルニアを南下していくサイラス・サットンとライアン・バーチのサーフフィルムです。このフィルムでは、「stoked」はサーフィンを意味し、「broke」という言葉で貧乏であることを表現しています。この二つがもたらす自由を、彼らは、物質主義的な社会から離れ、根っこまで追求していこうとします。自由が育つ土壌は、明るさと暗さとの均衡がとれたリズムと、うっとりするような潮の香りとどきどきさせるようなドッグフードの匂いが必要なようです。
自作のリアカーにサーフボードなどのギアを溢れるほど詰め込み、徒歩で波を求める二人の旅の様子も最高にわくわくさせてくれ、二人のライディングには、引き込まれていきます。彼らの海の上でのスタイルはのろのろと威風堂々のあいだくらいのイメージです。道中に出会う人たちはみんな個性的で、そして心の中が裕福で、二人は様々な援助を得ていて、社会から離れようとしてみても、気が付けばコミュニティの中に足を踏み入れています。社会と自由は切っても切れない腐れ縁で繋がっている、というか表裏一体なのかもしれないですね。この自由よりも自由な、社会から引き剥がれたものを、今の自分ではイメージができないです。陳腐な問いではありますが、自由とはなんなんでしょう?蝿の糞こそが自由なん?
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