Cerro

アラヴェルディの祭のCerroのレビュー・感想・評価

アラヴェルディの祭(1962年製作の映画)
4.5
秋にアラヴェルディ聖堂で開催される祭礼を舞台に、現代人に民族的伝統の真意を問う鮮烈な映像詩です。若いジャーナリスト、グラムを通して見るアラヴェルディの祭では、人々は活気はあるがその本来の伝統や意味を忘れ、ただ酒を飲んで騒ぎ、祭の祝福にも空高く聳える聖堂の姿にも無関心です。「ツィヴィ・ゴンボリ峰に立ち、アラザニ河畔から突き出たアラヴェルディを見ぬ者はカヘティを知らない。自らの足でアラヴェルディのてっぺんに駆け上り、無限に広がるアラザニ平原を見たことがない者は、カヘティの情熱の激しさを味わったことがない。その空間には創造者の祝福を受けぬ場所は一片もない。過去から今日まで人が物質的または精神的に尊いものを、労働によって生み出したことのない場所は一点も無い。この平原から生命力を持つ新しい力が光のように届く。その力は規則的で壮大な無言の労働と一体である。私は感じる。その力は私の中にある。その力は下で騒いでいる人々の中にある。」地球の全ての場所は、太陽が与える影響だったり、天変地異だったり、人による建設であったり、破壊であったり、目が回るほどの光と闇を浴びて生まれている。
演出も印象的で、自分自身も祭の喧騒に混ざり、踊り子に魅了され、聖堂の中の暗い涼しさを感じ、盗まれた馬を追いかけ、実際にアラヴェルディ聖堂に足を運んでいるような気分になりました。
この作品は当局の検閲に引っ掛かり、最初の編集室のシーンは完成後に本意ではなくつけさせられたようです。
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