人喰いうなぎ

残穢 住んではいけない部屋の人喰いうなぎのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

一本のホラー映画として観ると、202号室の和室の戸を閉める時のカメラの位置だとか、大家が幽霊を発見する時のカット変わりのタイミングだとか、色々と疑問はあるのだけど、この映画で重要なのはモキュメンタリーホラー用の脚本を普通に劇映画として獲ったかの如き、ハイブリッドともいえる作りにある。

一見モヤッとしたような映画の閉じ方も、これが『ほん呪劇場版』のエンディングと考えると結構しっくりこないだろうか?

現在の『ほん呪』亜流とも言える、調査型モキュメンタリーホラーが大量に作られている状況を考えると、今後もこのような作りの劇映画が何本も作られていく可能性は結構あると思う。

ただ、モキュメンタリーホラーは普通の劇映画の作りとは違うノウハウが積み重なって現在も進化してきており、残念ながらこの『残穢』ではその2つがあまり上手く噛み合っているとは思えなかった。
少なくとも、中村義洋のキャリアの集大成的なものではあるかもしれないが、まだこの方向に伸びしろを残した出来なのも確かだと思うので、今後大畑創や白石晃士のような監督にこういう作りの映画を作っていって貰えるのを期待しています。