小説家の「私」は読者から送られてきた心霊体験を文章にする仕事をしている。あるとき、久保さんという女性から心霊体験が送られてくる。
マンションの和室から床を箒で掃く音がするというものであった。
興味を持った「私」は久保さんとコンタクトを取り、彼女の心霊体験を調べ始める。そこにはマンションが建つ前にあった一家にまつわる奇妙な噂があったのだった。
久保さんの心霊体験は何なのだろうか?調査を進めていくうちに色々なことが明らかになっていく。
ホラーとしての怖さはそれ程ないが、日本的ホラーの持つおどろおどろしい雰囲気がミステリーとしてのこの作品に良いアクセントを与えています。
ミステリーに有りがちな予定調和はありますが、それが嫌味じゃなくすんなり入ってきました。久しぶりに良いミステリーに出会えた、そんな風に思えた作品でした。