あでゆ

残穢 住んではいけない部屋のあでゆのレビュー・感想・評価

1.7
ミステリー小説家である私に、読者の女子大生・久保さんから自分が住んでいる部屋で変な音がするという手紙が届く。早速二人で調べてみると、そのマンションに以前住んでいた人々が自殺や心中、殺人などの事件を起こしていたことが判明。久保さんの部屋で生じる音の正体、そして一連の事件の謎について調査していくうちに、予想だにしなかった事実がわかる。

もろに『呪いのビデオ』を劇映画風にしましたよ、という作品。主人公が作家で、本作が将来的に小説になるという話の構成上、運びはかなり小説的になっている。そしてそれが、呪いのビデオのようにナレーションを挟むためのエクスキューズになっているんだろうけれど、個人的にはそれがあまりうまく言っていないと感じた。

そもそも、小説の章立て風に映像を作って、そのまま元の地の文を読み上げるような体裁を取るならば、あまり映画でやる意味がそもそもないのでは?と思う。
もっといえば前半のサスペンスパートが長すぎる上に全く話が進まないため、見ていて退屈だったのは事実。

とはいえ、ラストの恐怖演出だったり、最終局面での『Rec』的な異空間のような悪魔信仰の部屋描写のセンスはとても好み。幽霊自体はしょぼいCGであまり怖くはないのだけど、例えば単純に向かってくるだけではなくて急に方向転換する、視点を切り替えたらそっちに移動しているといった動きによる演出が巧み。だから幽霊が出てくる最後は盛り上がった。最後みたいな演出が定期的にくるような映画であれば、ホラーとしてテンションは持続したのかなと。
まあ『呪いのビデオ』的なドキュメンタリー調のホラーだということを理解していなかった僕が悪いといえば悪いんだろう。
あと流石に悪霊とデジタルを組み合わせてゆっくりこっちに向かわせる系ホラー、もういよいよお腹いっぱいなんじゃないですかね?

個人的には、せっかく竹内結子が出演しているのに、髪ボサボサで薄化粧という役だったので、彼女の色気が全く味わえなかったのはとても残念だ。
ただ演技自体はとてもよくて、佐々木蔵之介のまばたきしないでイかれちまってんなこいつ感とか、いいところはちょこちょこあるのでもったいないと感じた。
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