しおね

ハッピーアワーのしおねのレビュー・感想・評価

ハッピーアワー(2015年製作の映画)
4.0
一言で言うと不思議な映画!

不思議なワークショップ、不思議な男、不思議な巡り合わせ。
ショットのつなぎも何か不思議。

第1部のしつこいほどに長々と映されるワークショップも、最後にはものすごく重要で良いシーンだったと気づかされるし、男もものすごく重要な人物だった。

面白いのは誰と誰がこの先発展していくかが分からないこと。
大方予想通りなんだけど、あっちの人の可能性も捨てられない!って感じ。

例えば飲み会のシーン。
ワークショップで額同士を合わせたことをきっかけに、告白してくる男がいる。
桜子は断るが、その後の飲み会で再会する。
ここから発展するのかな?と思いきや、男がバツイチだと判明する。
実は桜子の友達、あかりもバツイチ。
男とあかりは意気投合し、酒を交わす。

桜子と男かな?と思ったらあかりと男の可能性も浮上してくる。

わりと序盤のシーンなんだけど、これは面白い!とこの時点で高評価でしたw

人々の性格とか人生とかが少しずつ紐解かれていく感じなんですよね。
それって実際のコミュニケーションと同じだなって思った。
バツイチ男とかむしろ彼女すらいたことないんじゃないかってくらいだったもん最初の印象。

大きなテーマとしては人との触れ合い。
子供の頃はアルプス一万尺などで自然に触れ合っていたのに大人になるとそれがなくなる。
ただ額を合わせたりお腹の音を聞くだけで本当は幸せなのに、大人になるとそれすら出来ない。

だから大人の触れ合いであるセックスも重要なポイントだった。
セックスレス、中学生で子供が出来てしまうカップル、離婚調停中の夫との子供を授かる妻、愛していない人とのセックス…。
寂しさのぶつかり合いのように感じた。

ショットについて。
「お前どうしてそんな顔で俺を見るんだ」
「ただ見てるだけ」
この"そんな顔"が正面からうつされ、その顔を向けられてる人のリアクションも正面からうつされる。
『映画芸術』の特集ページによると、シナリオには表情の指定は書かなかったという。
セリフを言って浮き出てきた表情そのままを撮っているから、複雑で言葉に表せない顔になっているんだと思った。

個人的には離婚調停中の純が一番好きでした。