おざわ

ハッピーアワーのおざわのレビュー・感想・評価

ハッピーアワー(2015年製作の映画)
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5時間という上映時間が「あっという間に過ぎた」というわけではもちろんなくて、その長いだらだらした時間が、ときには停滞や淀みをはさみながらだらだらした時間のまま肯定されていくような贅沢な映画。とくに有馬のバス内で道中たまたま知り合った旅人と純の会話のシーンで流れる十分弱の時間、相手の邪魔することなく話を聞いている純の楽しげな表情はいつまでも観ていたかった。

余白が多いぶんこちらの記憶もあちこちに飛ぶ。子供のころ、寝ている父親の腹に耳をくっつけてゴロゴロ鳴っているのを聴くのが好きだったことを思いだした。
5時間という上映時間がそのままハッピーアワー。
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