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ハッピーアワーのYKのレビュー・感想・評価

ハッピーアワー(2015年製作の映画)
5.0
後ろ向きに登っていく正面4人のカットから引き込まれたが、特に好きなシーンを2つ。

1つはやっぱりワークショップ、そしてその後の打ち上げ。知らない人たち同士が手をつなぎ目を合わせ、少しずつ相手のことを知っていく。しかし、打ち上げで明かされる真実と、そこからなし崩し的に崩壊するそれまでの(こちらが勝手に思っていた)関係性。撮影・編集方法も面白く、何台かのカメラを立ててほぼリアルタイムのように撮っているような感じ。偶然フレームに映る挙動や何かの切れ端、画面外への人物の視線といったものは、ふつうの制作方法では生まれないカットだ。

もう1つは、桜子の息子と純がフェーリー乗り場で交わす会話。偶然こそが人生であり、偶然と想像へもつながるような美しいシーン。
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