TM

悪のクロニクルのTMのレビュー・感想・評価

悪のクロニクル(2015年製作の映画)
3.0
その悪はいつ始まり、その悪はなぜ生まれたのか。

昇進を目前に控え、一足先に昇進祝いを開かれた主人公。いい気分で酒に酔い、タクシーで家へと送り届けられることになった。だがタクシーの運転手は主人公を恨んでおり、人気のない場所に車を停めて襲いかかってきた。
慌てた主人公は正当防衛ながら、その男を殺してしまう。恨まれていた理由が汚職なのも悪かった。昇進が不意になるのを恐れた主人公は、その場から自分がいた痕跡を隠蔽し、死体を放置して逃げてしまう。
翌日、憔悴した主人公のもとに、驚くべき一報が入る。あの男の遺体が見つかったのだ。警察署の前の工事現場で、クレーンに吊り下げられるという異常な事態で……。

自分で自分の殺人事件を捜査する羽目になった主人公が、捜査を妨害しつつ自分を追い込んだ何者かを探すというちょっとややこしいサスペンス。
意味深なオープニングから始まるんだけど、全部繋がって、その意味が最後に分かったときにはものすごくすっきりした!
ただ、捜査中の主人公がものすごくやつれてボロボロで心ここに在らずなのに、誰も気遣ってあげないのが可哀想。いや、あの変わり様、絶対に何かあっただろ……。慕ってるなら気づいてやれよ……。

唯一主人公の様子がおかしいことに気づいたのが、家族ぐるみで可愛がっている部下のドンジェ。ドンジェは主人公の行動の端々に不信感を覚えるが、尊敬する上司なのでそれを指摘できない。
この伏線の張り方がうまかった。ていうか、皆演技上手いよ!思わず話に没入して見てしまった。

バレてほしい……バレたくない……殺したのは自分……しかし誰が遺体を吊るし、自分を追い詰めているのか……。
この主人公が葛藤しながら徐々に謎が解けていく感じがたまらなく楽しかった!もどかしくてややこしくもあるんだけどね。
韓国の警察ものってやっぱり面白いなぁと実感させてくれた。ほんと、あとは名前さえややこしくなければ最高。
TM

TM