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わたしはマララのzunzunのレビュー・感想・評価

わたしはマララ(2015年製作の映画)
3.5
この父にこの娘あり!
なぜ彼女が教育にこだわり、なぜ人の胸を打つスピーチが出来るのか。それが立派な父の影響だという事が非常によく分かります。
異性に対して少し内気で弟たちとのやり取りが普通の姉弟と変わらない所など、普通の少女の日常が垣間見れます。そんな所以外はニュースや報道から受ける立派なマララ像と何ら変わりませんでした 。

私が今作で最も興味深かったのがマララと母親の関係性でした。
貧しさからでなく、学校に女子が1人しかいなかった為、教科書をキャンディに替え教育を受ける事をやめた母。もちろん当時は女性が教育を受ける必要性が極めて低かった事や慣習から考えれば仕方ない事でもありますが、女性の教育の重要性を説くマララにとってその対極にいる母はどのように映るのだろうか?
「母は自立していない」と発言するマララに“蔑視”とは言わないまでも母をやや軽視してる感じが物凄くした。この作品でも母の存在感はまるで空気のように希薄です。

((全く違う話ですが、立派な父を偏愛し価値観の相違から母と対立する思春期のアンネ・フラクを少し連想してしまいました))

この作品は父とマララとの関係、又はその家族に主眼を置いているが、映像の行間から垣間見れる様々な所を“覗き見”感覚で観ると面白い作品かもしれない。
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