ベンジャミンミン

ちはやふる 下の句のベンジャミンミンのネタバレレビュー・内容・結末

ちはやふる 下の句(2016年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

上の句はそこそこ楽しめたけど、下の句ははっきり言って大嫌い。しかし上の句以上に絶賛しか聞かないから余計にイライラしてたまらない。
端的にこの映画の何が嫌いかというと、『ルーム』における父のウィリアムHメイシーにあたるキャラクターがいないこと。途中こそ葛藤はあるものの、最終的には全員幸せでハッピーエンドなのが本当にムカついた。しかもそれが青春映画となると尚更。
例えば、一方でボッチだった机くんに仲間ができてハッピーになれば、松岡茉優の孤高さは崇高なものとして描かれてそれもそれでオッケーになる。
あるいはナルトがサスケサスケ言うのよろしく千早はずっと新新言ってて、イライラする。俺が一番許せないのは、なぜ千早や太一は「カルタをやってて1番楽しかった時」を思い出すと、小学生の3人でやってた時で、北央戦ではないのか?それってカルタ部のメンバーに対する裏切りと言ってもいいと思うんだけど。なのに、カルタ部のメンバーとの軋轢も解消されて、新とも上手くいってこれまたハッピーエンド。こんな嘘っぱちで感動できるかってんだよ。
ちなみに、競技かるたではどうかは知らないけど、個人戦でも応援することなんて普通だし。流石にそれで団体戦よりチーム力が試されるは流石にこじつけすぎじゃないかと思う。
とにかく、明らかになんらかの苦味がなければ成り立たたないような要素が多いのに、それらを全て丸く収めてしまう、その嘘っぽさが凄く嫌だった。

さらに言うと演出もいただけない。まず、野村周平の太一は演技に不自然さがありすぎる(これは上の句もだったけど)。
何より最後の対クイーン戦にはとてもがっかりした。上の句では出来ていた、一瞬を競う競技かるたならではの緊張感のある対決演出がなくなり、2人が取り合うのをただスローモーションで見せるだけのヴィジュアル重視でアクション性のない演出になってしまっていた。