うめ

ちはやふる 下の句のうめのレビュー・感想・評価

ちはやふる 下の句(2016年製作の映画)
3.9
足掻く。

再び共にかるたをする事を夢見て一人で絆を守ろうとする者。
一歩踏み出す事を恐れて距離を置いていた者。
一人ぼっちになっても変わらずに名人の夢を追う者。
あえて孤独の道を選び孤高の存在を目指す者。
勉学だけしか興味のないふりをしたり、違う道を模索してみたり…

どうしていいかわからずに、それぞれがただ進む道を探し一人で足掻く。
“荒ぶる魂”を隠して…

しかし、かるたという一つの軸が全ての者を一つに引き寄せる。
その時、心は“ちはやぶる”のだ。

上の句に比べて、より幼馴染3人にクローズアップした下の句。

ずっと思い描いていた仲間を得て、前へ進み始めた千早の夢。
だが、新たな目標を見つけた時。
ここまで力を与えてくれたその仲間が別の葛藤を生み出す。
広瀬すずのコミカルながらも戸惑った時に見せる表情、目の動き…
流石です。

目標を見失い、止まってしまう新の時間。
真剣佑の朴訥ながらも、飾る事なく自分の思いを語る姿が素晴らしい。

躊躇わずに突き進んできた千早と新。
彼等に湧き上がる疑問。
相変わらず自然さのない野村周平の笑い…
別な意味でドキッとする(^^;

そこに圧倒的な存在感で殴り込んできた松岡茉優がすごかった。
試合の時のあの服装に京都弁。
真綿で首を締めるとは、まさにあれですね。
たまらないです(*゚▽゚*)

瑞澤高校の肉まん、大江さん、机も見せ場は少ないながらもしっかりと存在感を出してましたね。

そして、まさかのあいつ!
“ドS”なあいつに胸を熱くさせられるとはね…

団体戦だけど戦う時は一対一。
でも、部のメンバー全員で戦っている感覚。
学生時代に剣道をやっていた身としては、なんか分かるものがありました。

テンポ良く繰り出される泣き所に、毎回ウルウルしてしまう私(^^;
あ〜、「結び」が楽しみでしょうがない。
うめ

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