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ちはやふる 下の句のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

ちはやふる 下の句(2016年製作の映画)
4.5
千早(広瀬すず)・太一(野村周平)・新(新田真剣祐)は幼なじみ。いつも一緒にかるたで遊んでいたが、家の事情で新が引っ越し、はなればなれになってしまう。高校生になった千早は、新にもう一度会いたい一心で、再会した太一とともに瑞沢高校“競技かるた部”を作る。創部一年ながら、エース千早の活躍と抜群のチームワークを発揮し、東京都大会優勝をなしとげた。新に東京都大会優勝を報告する千早に、思わぬ新の告白「かるたはもうやらん…」。ショックを受ける千早だが、全国大会へ向けて仲間たちと懸命に練習に励む。そんな中、千早は、同級生ながら最強のクイーンと呼ばれる若宮詩暢(松岡芙優)の存在を知る… 千早の気持ちは次第に詩暢にとらわれ、“競技かるた部”の仲間たちから離れていってしまう。そして、そんな千早の目を覚まさせようとする太一。千早、太一、新の気持ちが少しずつすれ違っていく。ある日、北央学園に出稽古に出た千早は、ぼろぼろに負かされ、須藤に「お前は一人で競技かるたやっているのか?」と一喝される。一人で千早のことも何もかも背負い込む太一に、西田は「一人で何もかも背負い込むな」と言う。一人でやっても強くなれないみんなで頑張って強くなったことに気づいた千早と太一を中心に、再びチーム一丸となった。途中で千早が体調不良で欠場するという波乱があった個人戦だが、悔いのない戦いをした。
個人戦では、千早の前に最年少クイーン若宮詩暢が現れる。
末次由紀のベストセラーコミック「ちはやふる」を実写化した映画版第2作。
「もうかるたはやらん」と宣言した新を競技かるたに引き戻すために、新のライバル若宮詩暢に勝つためにチームを置き去りにしてしまう千早とチームを大事にしたい太一の対立、バラバラになりそうなチームを肉まんくん西田や机くん駒野や奏が繋ぎ止めることでより強くなる瑞沢高校かるた部の強い絆。
「みんながいたから強くなれた」千早と「一人でかるたに向き合ったから強くなれた」若宮詩暢の個人戦での戦いは、千早との心が繋がっている瑞沢高校かるた部の絆と独立独歩で強くなった若宮詩暢の強い自負の戦いではあるが、だんだん千早と詩暢の間にも戦いの中でライバルとしての絆が生まれていく二人の心情の変化が、広瀬すずと松岡芙優の表情の変化で丁寧に描かれていて、当代一の演技派女優の演技合戦としても楽しめる名勝負。
祖父が死に競技かるたをやる目標を見失っていた新が、千早たちの姿を見て三人で競技かるたをやっていた頃の気持ちを思い出すくだりも、感動的。
千早たちを食う存在感を見せた若宮詩暢の、独立独歩で強くなった強烈な自負と個性的なキャラクターグッズが好きなギャップがユニークなライバルキャラクターを魅力的に演じきった松岡芙優の演技が、印象的。
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