シュンギク

スパイダーマン:ホームカミングのシュンギクのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

良い青春映画だった!


ヒーロー映画として、マーベルシネマティックユニバース新作として、2度目のスパイダーマンリブート作として、新シリーズ1作目として...などなど語れる側面が非常に多い作品だが、観た後にまず1番に思ったのは良い青春映画だったということ。

15歳という大人になる何歩も手前にいる少年のドラマが瑞々しく描かれていた本作。学生生活・友情・恋愛・家族。普遍的なドラマは誰でも感情移入しやすく、トム・ホランドの演技が主人公ピーター・パーカーの魅力を確固たるものにしている。トム・ホランドが演じるピーターをもっと観ていたいと思った。
大人が多かった...というか、大人ばかりのヒーロー映画、マーベルシネマティック・ユニバースの中でこれだけ若い主人公は一際新鮮。これまでのスパイダーマンよりも大分若い。だからこそ彼が正義であろうと、貫こうと頑張る姿に心打たれる。

敵を演じるマイケル・キートンもさすがの貫禄。彼と対峙するシーンは面白かった。

2017年のスパイダーマン新作ということでアクションももちろんアップデートされている。とはいえ5本+αも作られてきたスパイダーマン映画。なかなか新鮮なカットは少ない...というよりはCG全開のすごいものを見せようとはせず、トム・ホランド本人によるアクションを追求。新しさを出しつつも過去のスパイダーマンへのオマージュを散りばめたアクションを盛り込んだからかもしれない。
ピーターの成長を描くことを重視した結果、カタルシスも少し足りないか。このへんは次回作に期待かな。


副題:『ホームカミング(帰郷)』。
作中ではダンスパーティのことだが、スパイダーマンがマーベルの手に帰ってきたって意味もあるだろう。個人的にはラストの選択と、ファンにはある嬉しいサプライズ的帰郷があったことかなと感じている。


青春映画として魅力的。スパイダーマン映画としても新鮮。『シビル・ウォー』に続くマーベル映画としても楽しい。新しいスパイダーマン=ピーター・パーカーのこれからの活躍が楽しみ。


1点疑問。アベンジャーズから8年後の世界というのは『シビル・ウォー』の時間軸とは矛盾していると思うのだけど...製作側のミスだろうか?