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スパイダーマン:ホームカミングのnaoズfirmのレビュー・感想・評価

3.7

スパイダーマンシリーズ第1作目🎬

ストーリーはアイアンマンに憧れる15歳のヒーロー見習いスパイダーマンが、アベンジャーズ入りを目指し成長する姿を、高校生活を織り交ぜ描いた作品でした。等身大のヒーロー・親愛なる隣人再び。新しいスパイダーマンが新鮮でした。映画の全体的なトーンは青春アクション映画というよりは、ハイスクール学園モノに近い感じがします。個人的にはハリーポッターの初期作品を見ているようでした。

主人公のピーター・パーカーは、全2シリーズより若干幼い10代に設定されています。主人公は「誰かに認められたい」「早く大人の仲間入りをしたい」という十代特有の悩みを抱えており、物語はそれを「アベンジャーズに憧れる新米ヒーロー」という形で出力するため、自然と観ている側が思春期の頃の自分とヒーローであるスパイディを重ねて観てしまいます。ヒーローに憧れた経験はなくても、それでもアベンジャーズに入りたくて空回りしてしまう彼の焦燥感が痛いほどに伝わってきます。誰だって、大なり小なりそうやって思春期を過ごしてきたのだから、、ヒーロー映画の面白さは「自分と違う環境にいるキャラクターの心理を疑似体験できる」ことにあります。

そして何と言っても見所は物語終盤にかけて少しだけ成長するピーターの姿です。まだ何者でもない見習いヒーローが、早く誰かに認めてほしくて必死に頑張る様子は微笑ましいです。今作では前2作のような「劇薬」は用意されず、ピーターはトニーをメンターに愚直に行動し、失敗を積み重ねる中から自分の力で少しずつ精神的に成長を重ねていくという描写が取られていました。トニーに早く認められたい、大好きなリズにいいところを見せたいという功名心だけが先走り、取った行動がことごとく思慮を欠いて失敗続きに終わるというシーンは、まさに「見習いヒーロー」が必死にもがいているようで微笑ましいですね。

スパイダーマンのハイテク化したスーツも見所の1つです。ラピッドファイア、テーザーウェブや音声が変わる尋問モード、ボディーヒーター、ムササビのようなウェブウィング、小型ドローンなど、至れりつくせりの高性能ぶりが面白すぎます。そして、見事に全然使いこなせず、習熟に苦労するシーンを描くことでコメディ要素も含まれていて面白かったです。

副題のホームカミングとは?
「ホームカミング」には、2つの意味が掛けられていると思いました。1つ目は本作がMCUの世界線の中で再びリブート作品として戻ってきたという意味。2つ目は物語中盤で開催される「ホームカミングパーティ」のことを意味しています。
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